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出雲神の故郷

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○村井康彦著「出雲と大和」(岩波新書:2013年刊)から梅原猛著「葬られた王朝~古代出雲の謎を解く~」(新潮社:2010年刊)と話を続けて来たのには、もちろん理由がある。それは出雲神の故郷は何処かと言うことである。

○普通に考えるなら、出雲神の故郷が出雲国であるのは当然である。何しろ、出雲という国名を冠せられているのが出雲国なのであるから。誰もがそう考えて疑うことをしない。しかし、それが誤りのもとでである。間違いなく出雲神の故郷は出雲国では無い。

○改めてよくよく考えてみると、出雲の国名は、極めて珍しい名であることに気付く。どうやら、雲が湧き出る風景が出雲の国名の起源ではないかと考えられる。そのことは、ウィキペディアフリー百科事典の出雲国項目でも、次のように載せていることからも明らかだろう。
      出雲国
   出雲国(いずものくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。山陰道に属する。
  【「出雲」の名称と由来】
   「出雲」という国名の由来は、雲が湧き上がる様子をあらわした語「稜威母(イズモ)」という、
  日本国母神「イザナミ」の尊厳への敬意を表す言葉からきた語、あるいは稜威藻という竜神信仰の藻
  草の神威凛然たることを示した語を、その源流とするという説がある。ただし歴史的仮名遣では「い
  づも」であり、出鉄(いづもの)からきたという説もある。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E9%9B%B2%E5%9B%BD

○このウィキペディアフリー百科事典の【「出雲」の名称と由来】には、相当無理がある。「稜威母(イズモ)」が語源だと言うのなら、「稜威母(イズモ)」ではなく、「稜威母(イツモ)」が正しい。「稜威」は「伊都」と同音であるはずである。歴史的仮名遣でも「稜威母(イズモ)」ではなく稜威母(イツモ)」である。

○出雲の地名は、相当古い。だから、出雲地名には枕詞が存在する。それが『八雲立つ 出雲』である。したがって、出雲国を代表する風景が『八雲立つ 出雲』ではないかと思われる。

○ある時、ふと思った。『八雲立つ 出雲』の風景とは、何処のどんな風景なのであろうかと。

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