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大峯信仰の本質

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○前回案内した硫黄岳の信仰の本質が磐座崇拝であったと同様に、前々回案内した『三輪山信仰の本質』が磐座崇拝であることは、大神神社のHPでも確認されることである。前回紹介した、天保十四年(1843年)刊行の「三国名勝図会」の記録は、そのことをきれいに説明している。大事な要件であるので、再度、掲載しておく。
     【硫黄峯】(在番衙より、寅方、半里許)
   此の峯硫黄を産するを以て、名を得たり。此の峯當島の東西にありて、海上より聳へ立ち、形状奇
  高なり。土俗の説に、登り三里、下り一里といへども、大抵半里許もあるべし。山面都て焼け石に
  て、草木生ぜず。山の中腹より上は、処々硫黄燃え上がり、山頂最も多く燃え出づ。硫黄の所出は、
  時々変はり移りて、一方に多く出れば、一方は少なくなるといへり。此の島の絶頂に圓池あり。径り
  十四五間深さ十四間、昔日は水ありしに今は常になしとかや。池内よりは硫黄を吹き出す。この池よ
  り半町許北の方に、石礫を高さ三尺許、横幅五尺許、積み立てありて神体と稱ず。土人祈願の為に、
  鉾等を寄進して、建て置く。春秋の彼岸には、土人参詣せり。女人は禁制といへども、十三歳以下の
  女子は其の禁を許す。絶頂には時々燈明燃え点ずる事ありて、十二月晦日の夜には、必ず見ゆといへ
  り。其の外、岳神に祈願等をなせる時は、燈明現はるとて、土人甚だ崇敬す。神廟は山下に勧請し
  て、蔵王権現と号す。

○このことは、すでに2009年段階で、ブログ『蔵王権現の正体』で案内している通りである。
  ・書庫「三島村・薪能「俊寛」」:ブログ『蔵王権現の正体』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/27863830.html

○つまり、硫黄島の硫黄岳の信仰が大峯山では蔵王権現として信仰されていることが判る。蔵王権現は極めて珍しい仏様であるので、確認の為、ウィキペディアフリー百科事典で案内しておく。
      蔵王権現
   蔵王権現(ざおうごんげん)は、日本独自の山嶽仏教である修験道の本尊である。正式名称は金剛
  蔵王権現(こんごうざおうごんげん)、または金剛蔵王菩薩(こんごうざおうぼさつ)。インドに起
  源を持たない日本独自の仏で、奈良県吉野町の金峯山寺本堂(蔵王堂)の本尊として知られる。「金
  剛蔵王」とは究極不滅の真理を体現し、あらゆるものを司る王という意。権現とは「権(かり)の姿
  で現れた神仏」の意。仏、菩薩、諸尊、諸天善神、天神地祇すべての力を包括しているという。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%94%B5%E7%8E%8B%E6%A8%A9%E7%8F%BE

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