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李白:望廬山五老峰

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○中国の検索エンジン百度の百度百科「廬山」の項目には、『詩詞』欄に、
  自古以来,有过无数文人为庐山泼洒笔墨。
として、李白「望庐山瀑布」、蘇軾「題西林壁」、李白「望庐山五老峰」の、三つの詩を案内している。

○このうち、前回、日本でもよく知られる李白の「望廬山瀑布」詩を紹介したので、今回は続けて李白の「望庐山五老峰」を案内したい。

  【原文】
     望廬山五老峰
         李白
    廬山東南五老峰
    青天削出金芙蓉
    九江秀色可攬結
    吾將此地巢雲松

  【書き下し文】
     廬山の五老峰を望む
            李白
    廬山の東南に、五老峰あり。
    青天に削り出づ、金芙蓉。
    九江の秀色を攬結すべし。
    吾れ將に此地にて雲松に巣はんとす。

  【我が儘勝手な私訳】
    廬山の東南の方角に、誰でもが知っている五老峰と言う峰が聳えている。
    朝の五老峰は、まるで青天の中に削り出した金色の蓮華のように光り輝いている。
    五老峰の美しさは、揚子江中流域の優れた景色を一括りにしたに相応しい。
    私は今、まさに五老峰の下に廬を建て、隠者となって生活しようとしている。

○李白が五老峰を仰いだのは、おそらく海会鎮の九叠谷、廬山東門あたりだと思われる。実際、三叠泉風景区管理処近くには李白草堂が存在する。今回は時間が無くて訪問出来なかったけれども。

○五老峰は、李白に言われなくても、十分美しい。豊かな緑の中に屹立する五つの秀峰は、見事と言うしかない。その五老峰を最も美しく観ることの出来るのが九叠谷であった。

○今回の旅行で、三叠泉から、登るのが億劫になり、九叠谷を下ったのだったが、それが偶然にも幸いした。U字谷のそそり立つ絶壁の上に見上げる五老峰は、壮観そのものである。

○三叠泉が発見されたのは「宋绍熙二年(1191)」だと言うから、残念ながら、李白は三叠泉を知らない。その三叠泉を九叠谷に沿って下って行けば、海会鎮の廬山東門に辿り着く。次回、廬山へ行く時は、絶対、この海会鎮の廬山東門から九叠谷を遡り、五老峰を満喫し、三叠泉を楽しみたいと思わせる絶景であった。

○廬山は大きい山塊である。海会鎮から国道212線を南下すると白鹿洞書院が存在するし、更に南下すれば秀峰風景区になる。やはり、廬山は最低でも、四、五日掛けて観光しない限り、見尽くすことは出来ないし、十分、その価値のある観光地である。

○今回の一泊二日の廬山観光は、その下見みたいなものに過ぎない。それでも多くの収穫があったことは間違いない。まだ、西林寺も東林寺にも参詣していない。既に私は、申し分なく廬山の虜となっている。

○五老峰の風景美については、既に案内済みである。
  ・書庫「廬山・九江」:ブログ『廬山:五老峰』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/38352396.html

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