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高適:陪竇侍御泛靈雲池

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○高適の詩案内を続けているが、今回は高適の『陪竇侍御泛靈雲池』詩である。

  【原文】
      陪竇侍御泛靈雲池
          高適
    白露時先降,清川思不窮。
    江湖仍塞上,舟楫在軍中。
    舞換臨津樹,歌饒向迥風。
    夕陽連積水,邊色滿秋空。
    乘興宜投轄,邀歡莫避驄。
    誰憐持弱羽,猶欲伴鵷鴻。

  【書き下し文】
      竇侍御の靈雲池に泛しめらるるに陪ふ
          高適
    白露は時に先に降り、
    清川は思ひ窮まらず。
    江湖は塞上に仍り、
    舟楫は軍中に在り。
    舞は津樹に臨んで換え、
    歌は迥風に向ひて饒かなり。
    夕陽は積水に連なり、
    邊色は秋空に滿つ。
    興に乘じては、宜しく轄を投ぐべく、
    歡を邀むるに、驄を避くること莫し。
    誰か弱羽を持つを憐れまん、
    猶ほ鵷鴻を伴ふを欲するがごとし。

  【我が儘勝手な私訳】
    白露だって時には八月前に訪れることがあるし、
    清川がいつも清らかに流れているわけでもない。
    武威市蓮花山の麓、靈雲池は城塞の畔にあって、
    靈雲池の舟楫は軍の中を進むことになる。
    靈雲池では池の樹木にしたがって舞が変わるし、
    靈雲池では湖水を吹く風に乗って歌が飛んで行く。
    靈雲池に夕陽も落ちるし、
    靈雲池には、秋空の下、辺境の世界が広がっている。
    面白さを感じたら、当然、誰でも途中で止めることはないし、
    喜びを求めるのに、誰でも葦毛の馬を避けることは無い。
    竇侍御が靈雲池に左遷されたことを憐れむ者は誰も居ない、
    竇侍御の靈雲池行きは、あたかも鵷鶵が靈雲池へ行くようなものだ。

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