○前回、鲍照の「鳴雁行」詩を案内した。今回紹介するのは、李元操の「鳴雁行」詩である。
【原文】
鳴雁行
李元操
聽琴旋蔡子
張羅避翟公
夕宿寒林上
朝飛空井中
既並玄雲曲
復變海魚風
一報黄苑惠
還游萬歳宮
【書き下し文】
鳴雁行
李元操
琴を聽くに、蔡子を旋ふ、
羅を張りて、翟公を避く。
夕べに寒林の上に宿り、
朝には空井の中を飛ぶ。
既に並ぶ、玄雲の曲、
復た變ず、海魚の風。
一たび報ず、黄苑の惠み、
還た游ぶ、萬歳の宮に。
【我が儘勝手な私訳】
琴曲を聴いては、春秋戰國時代の蔡子の故事を思い出し、
雀を捕える羅網を張っては、漢の武帝時代の翟公の故事を思い出す。
夕方には、秋冬の林木の上に宿り、
朝早くには、大空の中を高く飛ぶ。
すでに、玄雲の曲を聞いたかのように、整然と並び、
また、海魚の曲風のように、乱れて飛ぶ。
長壽の薬である黄苑の恩恵を告げるとともに、
また、仙人の宮殿にまで飛び至ることを思う。
【原文】
鳴雁行
李元操
聽琴旋蔡子
張羅避翟公
夕宿寒林上
朝飛空井中
既並玄雲曲
復變海魚風
一報黄苑惠
還游萬歳宮
【書き下し文】
鳴雁行
李元操
琴を聽くに、蔡子を旋ふ、
羅を張りて、翟公を避く。
夕べに寒林の上に宿り、
朝には空井の中を飛ぶ。
既に並ぶ、玄雲の曲、
復た變ず、海魚の風。
一たび報ず、黄苑の惠み、
還た游ぶ、萬歳の宮に。
【我が儘勝手な私訳】
琴曲を聴いては、春秋戰國時代の蔡子の故事を思い出し、
雀を捕える羅網を張っては、漢の武帝時代の翟公の故事を思い出す。
夕方には、秋冬の林木の上に宿り、
朝早くには、大空の中を高く飛ぶ。
すでに、玄雲の曲を聞いたかのように、整然と並び、
また、海魚の曲風のように、乱れて飛ぶ。
長壽の薬である黄苑の恩恵を告げるとともに、
また、仙人の宮殿にまで飛び至ることを思う。