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観音古洞

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○中国の検索エンジン百度『百度百科』が案内する普陀山では、見るべきものとして、
  ・普陀山三寺:普济禅寺、法雨禅寺、慧济禅寺。
  ・普陀山三宝:多宝塔、杨枝观音碑、九龙藻井。
  ・普陀山三石:磐陀石、心字石、二龟听法石。
  ・普陀山三洞:朝阳洞、潮音洞、梵音洞。
  ・普陀山十二景:莲洋午渡、短姑圣迹、梅湾春晓、磐陀夕照、莲池夜月、法华灵洞、
          古洞潮声、朝阳涌日、千步金沙、光熙雪霁、茶山夙雾、天门清梵。
を案内する。

○前回までに、『普陀山三石』とされる磐陀石・心字石・二龟听法石を紹介してきた。普陀山の自然崇拝として、特筆されるのは、普陀山三石と普陀山三洞である。

○これまで5回も普陀山を訪れているのに、普陀山三洞のうち、実見したのは潮音洞だけで、朝阳洞と梵音洞は未見である。なかなか普陀山は見所が多い。

○『Putoushan Travel Guide(普陀山自由行指南)』が景点として列挙する中に、洞は以下の七箇所が存在する。
  …音洞  ∨_敍供 ´梵音洞  ご儔仔供 ´ジ登覇供 ´ξ醉て供 ´Я浦眛

○本来、普陀山信仰の原型がどういうものであったかを考える時、どうしても気になるのがこれらの自然石であり、洞である。普陀山に参詣して、自然石や洞が何とも多いことに気付く。おそらく、普陀山信仰はこれらの自然石や洞崇拝から発生したものだと推測される。

○当然、それらが集積している地が普陀山信仰の起源だということになる。そう言う点を考慮すると、現在の西天香道が普陀山信仰の起源だとするしかない。普陀山の自然石崇拝のほとんどがここに存在する。

○その西天香道の西端、山下の岩山の洞を祀っているのが観音古洞である。『百度百科』が案内する観音古洞は、次の通り。
      观音古洞
   观音古洞位于浙江省舟山市面普陀山梅岭之后鹦哥石侧,原为自然洞穴,并无殿宇,只有梅树数株,
  故亦名“古梅岭”。洞顶岩石重重,樟树遮天蔽日。明万历年间有一僧始结茅庐于此。清雍正年间,法
  泽禅师初创庵院,是为开山祖师。道光间,海南修之。光绪间,裔孙化响重建大殿。宣统二年,僧开林
  添建客堂楼房,寺院日趋完善。现存主要佛教建筑是大殿(亦称“主殿”);重要文物是观音坐像和
  “二十五圆通”群像。观音古洞的主殿呈长方形,内供二十五圆通塑像。所谓“圆通”在这里指已达
  “圆满通达”境界而成正果的菩萨。在二十五圆通中,观音为主尊,两边各有十二位圆通。
   观音立像高五米许,珠冠锦袍,右手执杨枝,左手托净瓶,袒露跣足,端庄典雅,乃仿唐朝著名画家
  阎立本的“杨枝观音画像”而塑建。
   观音立像高五米许,珠冠锦袍,右手执杨枝,左手托净瓶,袒露跣足,端庄典雅,乃仿唐朝著名画家
  阎立本的“杨枝观音画像”而塑建。
   主殿东面十二位圆通菩萨是:优婆尼沙陀(比丘像)、香严音子(带巾挂佛珠像)、跋陀婆罗(右按
  膝、左掌座像)、阿那律陀(屈指计数像)、梵提(右举手、左执佛珠像)、须菩提(若举手、左捧书
  像)、普贤(骑白象像)、富楼那(双手举指像)、闪乾莲(降龙像)、持地菩萨像、琉璃光法王子
  (双手执轮像)、弥勒像。西面十二位是:陈如(合掌像)、药王三法菩萨像、迦叶(合掌像)、目连
  (双手按膝像)、毕迦婆(左手执珠像)、舍利弗(合袖像)、孙陀罗难陀(合手像)、优婆离(左手
  执珠像)、必摩(四臂像)、月光童子(双举指像)、灵空山菩萨(右持剑像)、大势至菩萨像。
   上述各位圆通菩萨塑像,千姿百态,特徵突出,由其法相可以看出,他们大多都是释迦牟尼弟子。这
  二十四位圆通,加上观音,共为二十五圆通,所以主殿又称为“圆通宝殿”,这是观音古洞不同于全国
  其它佛教寺院的突出特色。
   观音古洞现任方丈妙善法师,90岁,江苏如皋人。1932年在丹阳地藏寺礼寂宽法师出家为僧,后在普
  陀山傅经护法五十多年,现同时兼任普陀山地区许多寺院、庵堂之方丈。现任监院了音法师,41岁,浙
  江玉环人,1981年出家,师从开仁法师。

●極楽亭からの眺望を楽しんだ後、いよいよ最後の観音古洞へ向かって西天香道を下って行く。ここは相当の坂道となっていて、参詣客が青息吐息で登って来るのと出遭う。ちょうど、この辺りで、前回の参拝の際、胡瓜売りのお姉さんと出会った。

●その長い坂道が終わったところに、観音古洞は存在する。山門をくぐると、観世音菩薩の照壁があって、その先が観音古洞であった。

●観音古洞前右手に拝殿があって、参拝客は観音古洞前で焼香してから観音古洞へ入る。洞内は思いの外広い。中に観音菩薩が祀ってある。もちろん、内部は撮影禁止である。

●観音古洞を訪れたのは2013年10月13日午後4時ころであった。こんな遅い時間帯であるにも拘わらず、観音古洞には結構な参詣客の姿があった。

◎現在、普陀山観音古洞に祀られているのは、立派な観音様の御姿である。しかし、もともと普陀山で崇拝されていたのは、自然石そのものであるような気がしてならない。

◎日本にも、同様の信仰が存在することを忘れてはならない。私が実見したのは、鹿児島県枕崎市の岩戸山や俵積田集落であった。枕崎在住のshusenさんに伴われて初めて見ることが出来た。
  ・書庫「枕崎探訪」:ブログ『岩戸の祠』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/30051345.html
  ・書庫「枕崎探訪」:ブログ『俵積田の地名』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/30074009.html

◎日本では、他にも鹿児島県硫黄島でも、同じようなものを見ている。
  ・書庫「硫黄島」:ブログ『硫黄島の俊寛堂』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/33657820.html
  ・書庫「硫黄島」:ブログ『御祈大明神社』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/33708936.html
  ・書庫「ツワブキの硫黄島」:ブログ『岳乃神神社参拝』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36022532.html

◎以前、枕崎地名が『がまくらさき』から派生したものであろうと書いた。
  ・書庫「枕崎探訪」:ブログ『枕崎の地名由来』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/30170240.html
別に、鎌倉地名についても考証している。
  ・書庫「枕崎探訪」:ブログ『鎌倉の地名由来 
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/30095090.html

◎その時は、推論でしかなかったものが、今ではその起源が中国普陀山のものであることを実感することができる。枕崎在住のshusenさんにお世話になったのは2009年のことだから、5年前になる。こういう結果になるとは、私自身想像さえしていなかった。shusenさんも、きっと驚いているに違いない。

◎硫黄島では、民宿ガジュマルの女将さんに硫黄島の情報をたくさん教えていただいた。岳乃神神社を知ったのも女将さんのお陰である。これまで硫黄島訪問は、
  ・2009年5月30日(土)
  ・2009年6月11日(木)
  ・2010年10月30日(土)・31日(日)
  ・2011年3月13日(日)から18日(金)
  ・2011年11月25日(金)から29日(火)
  ・2012年8月22日(水)
と、計6回行っている。

◎日本の岩戸神や鎌倉信仰の起源が中国普陀山であることは間違いあるまい。それらは辯才天信仰や観音信仰と融合して日本へ伝来して来たと思われる。

◎中国普陀山から、遙か遠く、枕崎や硫黄島を思いやることは、何とも楽しい。

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