○徐凝「憶揚州」詩を読んで、頗る徐凝詩が気になって仕方が無い。それで、徐凝「憶揚州」詩、「七夕」詩と続けているが、今回案内するのは、徐凝「奉酬元相公上元」詩である。
【原文】
奉酬元相公上元
徐凝
出擁楼船千万人
入為台輔九霄身
如何更羨看灯夜
曾見宮花払面春
【書き下し文】
元相公の上元に酬ひ奉る
徐凝
楼船を擁して、千万人の出づ。
台輔の為に、九霄の身に入る。
如何ぞ更に羨からん、灯を看るの夜、
曾て見る宮花、春の面を払ふ。
【我が儘勝手な私訳】
大勢の人が上元節をお祝いする為に、飾り船を用意して繰り出す。
越州刺史兼浙東観察使である元稹の為に、宇宙の神が身体に入り込む。
どうしてこれ以上羨ましいことがあろうか、正月十五日の上元節の賑やかな夜以上に。
昔見た都の宮城の花以上に、上元節は春を代表する行事なのである。
○日本では、上元節と言う行事に馴染みが無い。正月十五日に催される行事である。日本の小正月は、もともと、中国の上元節に拠るものらしい。日本のウィキペディアフリー百科事典には、元宵節の項目が存在する。
元宵節
元宵節(げんしょうせつ)は、正月の望の日(満月の日、旧暦一月十五日。日本でいうところの小
正月にあたる)を祝う中華圏での習慣である。正月は別に元月とも称され、元月の最初の宵(夜)で
あることより元宵節と命名された。過年は元宵節を迎えて終了する重要な一日である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E5%AE%B5%E7%AF%80
○中国の検索エンジン百度の「百度百科」が案内する元宵節は、次の通り。
元宵节(传统节日)
农历正月十五元宵节,又称为“上元节”(Lantern Festival),上元佳节,是中国汉族和部分兄弟
民族的传统节日之一,亦是汉字文化圈的地区和海外华人的传统节日之一。汉族传统的元宵节始于2000
多年前的秦朝。汉文帝时下令将正月十五定为元宵节。汉武帝时,“太一神”的祭祀活动定在正月十五。
(太一:主宰宇宙一切之神)。司马迁创建“太初历”时,就已将元宵节确定为重大节日。正月是农历
的元月,古人称夜为“宵”,而十五日又是一年中第一个月圆之夜,所以称正月十五为元宵节。又称为
小正月、元夕或灯节,是春节之后的第一个重要节日。
在汉族古俗中,上元节(元宵节)﹑中元节(盂兰盆节)﹑下元节(水官节)合称三元,都是非常传
统重要的节日。
吃元宵、赏花灯、猜灯谜是几项重要的元宵节民间习俗。
http://baike.baidu.com/subview/1949/13291116.htm?from_id=13676708&type=syn&fromtitle=%E4%B8%8A%E5%85%83&fr=aladdin
○中国のランタンは、本来、この上元節のものであったとされる。その由来については、玉皇大帝の故事がある。中国の民間習俗は奥が深い。
○徐凝「奉酬元相公上元」詩は、越州刺史兼浙東観察使である元稹に『奉酬』された詩である。当時、元稹は任地の越州会稽に在った。徐凝が詠じるように、豪華絢爛な上元節だったろうと想像される。
○また、会稽が道教にとって、特別の地であることも忘れてはなるまい。王羲之が「蘭亭集序」をものしたのも、この地である。会稽の若耶溪には雲門寺がある。会稽について、本ブログには以下に書いている。
・書庫「舜禹之都:紹興・上虞」:37個のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1221324.html?m=l&p=1
・書庫「天上仙都:紹興」:34個のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1228927.html?m=l&p=1