○前回に、張籍の「寒食內宴二首(其一)」詩を紹介したのに引き続き、今回は、張籍の「寒食內宴二首(其二)」詩を案内したい。
【原文】
寒食內宴二首(其二)
張籍
城闕沈沈向曉寒
恩當令節賜余歡
瑞煙深處開三殿
春雨微時引百官
寶樹樓前分繡幕
彩花廊下映華欄
宮筵戲樂年年別
已得三迴對御看
【書き下し文】
寒食內宴二首(其二)
張籍
城闕は沈沈として、曉の寒さに向かふ、
令節を恩當して、余歡を賜ふ。
瑞煙は深き處、三殿を開き、
春雨は微かな時、百官を引く。
樓前の寶樹は、繡幕を分かち、
廊下の彩花は、華欄を映す。
宮筵の戲樂は、年年別かれ、
已に、御看に對して三迴を得。
【我が儘勝手な私訳】
夜が更けて、城門は物静かに夜明け前の寒さへと向かっている、
寒食の佳節を目の当たりにして、それを十分に楽しもうではないか。
線香の煙は奥の宮殿にまでしっかり届いて、
春雨はしとしとと降り続き、百官は恨めしそうである。
高殿前の植木には垂れ幕が飾ってあるし、
宮殿を繋ぐ廊下の飾り花には、花々が美しい。
宮中での観劇音楽も、毎年多くなって、
もうすでに三回目の天覧演奏が始まっている。
○数カ所、気になるところがあるのだが、現段階ではこのように訳すしかない。「寒食」も「內宴」も私には遠い世界なので、理解することが容易では無い。ただ、張籍が「寒食」や「內宴」を楽しんでいるように、私も張籍の「寒食內宴二首」詩を楽しみたい。