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卑弥呼の正体:其の十

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○『卑弥呼の正体』と題して、長々と書き続けているが、今回は目先を変えて、中国側から見た倭国及び卑弥呼像について、考えてみたい。ずっと、日本で邪馬台国及び卑弥呼について、考えていた。しかし、「魏志倭人伝」そのものが中国側から見た日本であり、卑弥呼なのである。目先を変えると、随分、違うものが見えて来るのではないかと思った。それで、中国訪問を思い立ったわけである。

○それ以前、中国には何度も訪れている。ただ、当時、訪れたのは西安であり、洛陽であり、曲阜であり、北京であり、上海であった。日本と中国との交流を考えると、それは違うと言わざるを得ない。

○古代の日本と中国との交流が何処を通じて行われていたか。それを考える上で役に立つのは、何と言っても遣隋使であり、遣唐使の記録だと言えるのではないか。ちなみに、ウィキペディアフリー百科事典が案内する遣隋使は、次の通り。
      遣隋使
   遣隋使(けんずいし)とは、推古朝の時代、倭国(俀國)が技術や制度を学ぶために隋に派遣した
  朝貢使のことをいう。600年(推古8年)~618年(推古26年)の18年間に5回以上派遣されている。な
  お、日本という名称が使用されたのは遣唐使からである。
   大阪の住吉大社近くの住吉津から出発し、住吉の細江(現・細江川)から大阪湾に出、難波津を経
  て瀬戸内海を筑紫(九州)那大津へ向かい、そこから玄界灘に出る。
   倭の五王による南朝への奉献以来約1世紀を経て再開された遣隋使の目的は、東アジアの中心国・先
  進国である隋の文化の摂取が主であるが、朝鮮半島での影響力維持の意図もあった。この外交方針は
  次の遣唐使の派遣にも引き継がれた。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A3%E9%9A%8B%E4%BD%BF

○「魏志倭人伝」の記録は三世紀のものであるのに対し、遣隋使の記録は七世紀のものである。その間に、中国には「晋書」「宋書」「南斉書」「梁書」「南史「北史」などの正史が存在する。しかし、それらの中で、日本と中国との関係を示す大事な史料となるようなものは、「宋書」に倭の五王が登場するくらいで、ほとんど無い。三世紀以降、中国と日本との間には、それ程目立った交流がなされなったように思える。

○遣隋使に続くのが遣唐使である。同じように、ウィキペディアフリー百科事典で案内したい。
      遣唐使
   遣唐使(けんとうし)とは、日本が唐に派遣した使節である。日本側の史料では唐の皇帝と対等に
  交易・外交をしていたとされるが、『旧唐書』や『新唐書』の記述においては、「倭国が唐に派遣し
  た朝貢使」とされる。中国では618年に隋が滅び唐が建ったので、それまで派遣していた遣隋使に替
  えてこの名称となった。寛平6年(894年)に菅原道真の建議により停止された。遣唐使船には、多く
  の留学生が同行し往来して、政治家・官僚・僧にも多くの人材を供給した。留学生井真成の墓も中国
  で発見された。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A3%E5%94%90%E4%BD%BF

○ウィキペディアフリー百科事典の『遣唐使』項目では、この遣唐使の航路については、次のように述べている。
      航路と遣唐使船
   遣唐使船は、大阪住吉の住吉大社で海上安全の祈願を行い、海の神の「住吉大神」を船の舳先に
  祀り、住吉津(大阪市住吉区)から出発し、住吉の細江(現・細江川。通称・細井川。細井川停留
  場)から大阪湾に出、難波津(大阪市中央区)に立ち寄り、瀬戸内海を経て、那大津(福岡県福岡
  市博多区)に至り大海を渡る最後の準備をし出帆。その後は、以下のルートを取ったと推定されて
  いる。
  【北路】
   北九州(対馬を経由する場合もある)より朝鮮半島西海岸沿いを経て、遼東半島南海岸から山東
  半島の登州へ至るルート。
   630年から665年までの航路だったが、朝鮮半島情勢の変化により使用しなくなった。
  【南路】
   五島列島から東シナ海を横断するルート。日本近海で対馬海流を横断して西進する。
   702年から838年までの航路。
  【南島路】
   薩摩の坊津(鹿児島県南さつま市)より出帆し、南西諸島経由して東シナ海を横断するルート。
   杉山宏の検討により、存在が証明できないことが判明している。気象条件により南路から外れた
  場合にやむを得ずとった航路と考えられ、南路を取って漂流した結果に過ぎず採用の事実はないと
  する説もある。

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