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卑弥呼の正体:其の五十

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○2017年7月4日(火)午後0時から、たまたまテレビを見ていると、「先人たちの底力 知恵泉▽邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう・前編」と言う番組があって、驚いた。NHK教育テレビである。それは再放送で、番組自体は先週6月27日(火)午後10時から放送されたものであった。そのことについて、次のブログに書いている。
  ・書庫「肝属町の三岳参り」:ブログ『邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう:前編』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/41008018.html

○同じ日の午後10時から、『先人たちの底力 知恵泉▽邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう・後編』が放送された。実に興味深く見せていただいた。
  ・書庫「肝属町の三岳参り」:ブログ『邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう:後編』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/41009046.html

○その内容を検討し、まとめたのが、次のブログである。
  ・書庫「肝属町の三岳参り」:ブログ『邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう:総集編』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/41010439.html

●NHK教育テレビの番組、『邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう』を拝聴して、気になったのが、番組がまるで「魏志倭人伝」を読んでいなくて、邪馬台国や卑弥呼に言及していることであった。邪馬台国も卑弥呼も「魏志倭人伝」に書かれている史実なのである。だから、ある意味、「魏志倭人伝」が全てなのである。

●その「魏志倭人伝」を書いたのは陳壽と言う史家で、中国を代表する史家の一人だとされる。つまり、大天才であることは間違いない。そういう書物が「魏志倭人伝」なのである。だから、どういう書物より間違いが無いし、評価されている書物なのである。だから、安心して読んで良い。

●ところが、NHK教育テレビの番組、『邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう』では、そういうふうに「魏志倭人伝」を真面目に読もうとする気配すら感じられない。おまけに司会の二宮アナが『私も「魏志倭人伝」を読みました。』と堂々のたもうたではないか。

●もともと中国の史書は、中国の専門史家のみを読者対象とした、極めて特殊な書物となっている。だから、中国の専門史書を読み慣れていない素人に、まず中国の史書は読めない。中国人でさえ、そうである。まして、日本人に中国の史書が読める可能性は極めて低い。加えて、それが素人なら、百パーセント読めないと判断するのが常識だろう。

◎結論から先に言うと、NHK教育テレビの番組、『邪馬台国はどこにある?古代ミステリーを楽しもう』のような体制で邪馬台国を扱うこと自体が間違っている。邪馬台国問題に考古学者先生は不要である。何故なら、考古学者先生は邪馬台国問題に関しては全くの素人だからである。

◎はっきりしていることは、考古学者先生に「魏志倭人伝」を読むことは無理だからである。考古学者先生が「魏志倭人伝」を読むことは二宮アナが「魏志倭人伝」を読むことと大差ない。

◎その証拠に、「魏志倭人伝」の主題は何か。誰も問題になさらない。書物を読んで、その主題すら、明らかにしないでは、その書物を読んだとは言えない。「魏志倭人伝」の主題は倭国三十国の案内にある。それは次のように案内される。
  【渡海三国】
    ・狗邪韓国・対馬国・壱岐国
  【北九州四国】
    ・末廬国・伊都国・奴国・不弥国
  【中九州二十国】
    ・斯馬国・巳百支国・伊邪国・都支国・邇奴国・好古都国・不呼国
    ・姐奴国・対蘇国・蘇奴国・呼邑国・華奴蘇奴国・鬼国・為吾国・
    ・鬼奴国・邪馬国・躬臣国・巴利国・支惟国・烏奴国・(奴国)
  【南九州三国】
    ・投馬国・邪馬台国・狗奴国

◎こういう表現ができないようでは、「魏志倭人伝」を読んだことにはならない。それ程、「魏志倭人伝」を読むことは難しい。これまで、こういうふうに「魏志倭人伝」を読んだ人は誰も居ない。

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