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卑弥呼の正体:其の五十一

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○鹿児島県鹿児島郡三島村に、硫黄島と言う島がある。どんな島であるかは、実際出掛けてみないとよく判らない。三島村のHPでは、硫黄島を次のように紹介している。
      硫黄島について
   孔雀闊歩し、活火山のエネルギーあふれる、平家ゆかりの歴史薫る島
   三つの島の真ん中に位置し、白煙噴く硫黄岳を抱く硫黄島は、火山のエネルギーに満ち、自然の
  雄々しさを感じさせる島です。霧島火山帯に沿って噴出した海底火山の一つである硫黄島は、鬼界
  カルデラの中央火口丘に当たり、絶え間なく湧出する様々な温泉により七色に染まった海岸線が神
  秘的な趣です。野趣あふれる海岸の露天風呂も火山からの贈り物。島を闊歩する野生化した孔雀の
  姿も、生命力にあふれています。
    ■周囲:19.1km
    ■面積:11.74km2
    ■人口:128人
      (20●年現在)
   かつて俊寛が流刑された鬼界ヶ島はこの硫黄島とされ、俊寛ゆかりの史跡も多数見られます。平成
  8年には中村勘九郎丈によって、世界史上初、史実の地での歌舞伎公演「俊寛」が披露されました。
  また壇ノ浦の海中に果てたとされる安徳天皇が落ち延びた地といわれ、その史実を示す史跡、史料も
  多数存在しています。
  http://mishimamura.com/tourism/394/

○ウィキペディアフリー百科事典が案内する硫黄島 (鹿児島県)は、次の通り。
      硫黄島 (鹿児島県)
   硫黄島(いおうじま)は、薩南諸島北部に位置する島である。郵便番号は890-0901。人口は114人、
  世帯数は61世帯(2010年2月1日現在)。薩摩硫黄島(さつまいおうじま)とも呼ばれる。大隅諸島に
  は、含まれるとする説と含まれないとする説とがある。
   地名(行政区画)としての「硫黄島」の呼称は鹿児島県鹿児島郡三島村の大字となっており、全島
  がこれに該当する。
   火山島であり火山噴火予知連絡会によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある
  火山に選定されている。
   鬼界ヶ島と推定される島の一つである。
  【概要・歴史】
   東西5.5km、南北4.0km、周囲14.5km、面積11.65km2、114人の島民が住んでいる[1]。竹島、黒島と
  あわせ、上三島(鹿児島郡三島村)を構成する。
   鬼界カルデラの北縁に形成された火山島であり、ランクAの活火山に指定されている。 主峰の硫黄
  岳(後述)は標高703.7mで常時噴煙を上げており、亜硫酸ガスによってしばしば農作物に被害が発生
  する。また、港内は港底から鉄分を多量に含んだ温泉が湧出し、海水との反応で赤茶色に変色してい
  る。硫黄のために島の周辺海域が黄色に変色していることから「黄海ヶ島」と呼ばれ、これが「鬼
  界ヶ島」に書き換えられたとの説がある。古くは『平家物語』に語られる俊寛が流刑された地と伝承
  されている。(中略)
   島内には民宿5軒、商店2軒がある。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E9%BB%84%E5%B3%B6_(%E9%B9%BF%E5%85%90%E5%B3%B6%E7%9C%8C)

●本ブログでは、これまで6回硫黄島を訪れている。
  ・2009年5月30日(土)
  ・2009年6月11日(木)
  ・2010年10月30日(土)・31日(日)
  ・2011年3月13日(日)から18日(金)
  ・2011年11月25日(金)から29日(火)
  ・2012年8月22日(水)

●書いているブログも多い。
  ・書庫「三島村・薪能「俊寛」」:38個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1181163.html?m=l&p=1
  ・書庫「硫黄島」:42個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1199428.html?m=l&p=1
  ・書庫「三島村秘史」:30個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1199954.html?m=l&p=1
  ・書庫「Camellian硫黄島」:30個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1201068.html?m=l&p=1
  ・書庫「ツワブキの硫黄島」:33個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1203312.html?m=l&p=1
  ・書庫「竹島・硫黄島・黒島」:20個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1212742.html?m=l&p=1

●つまり、これまで6回硫黄島を訪れ、193個ものブログを書いていることになる。何がこのように私を硫黄島に引き付けるのか。それは、卑弥呼の現住所が硫黄島だからだと言うしかない。

◎卑弥呼の正体について、これまでいろいろと書いてきている。しかし、それらは現在、考古学者先生に拠って唱えられている卑弥呼の肖像とは、まるで違うものとなっている。考古学者先生は卑弥呼がシャーマンだと言って憚らない。そんなはずが無い。

◎卑弥呼が生きた三世紀は、すでに国際社会の只中にある。そんな時代にシャーマニズムなどが通用すると考える人が何処に居るだろう。「魏志倭人伝」を読む限り、卑弥呼が倭国二十九国を取りまとめていたことは間違いない。そうした国際社会を生き抜くのに、シャーマニズムに頼ろうと考える人は、まず、居ない。

◎まず、三世紀に、倭国三十国がどんな国であったか。それを述べたいのが、中国の史書、『三国志』の魏書・巻三十・烏丸鮮卑東夷伝・倭人の条であることは間違いない。つまり、「魏志倭人伝」の主題が倭国三十国の案内にあることは避けられない。

◎それでは、「魏志倭人伝」は、どのように倭国三十国を案内しているか。誰でも知りたい。それは次のように案内される。
  【渡海三国】
    ・狗邪韓国・対馬国・壱岐国
  【北九州四国】
    ・末廬国・伊都国・奴国・不弥国
  【中九州二十国】
    ・斯馬国・巳百支国・伊邪国・都支国・邇奴国・好古都国・不呼国
    ・姐奴国・対蘇国・蘇奴国・呼邑国・華奴蘇奴国・鬼国・為吾国・
    ・鬼奴国・邪馬国・躬臣国・巴利国・支惟国・烏奴国・(奴国)
  【南九州三国】
    ・投馬国・邪馬台国・狗奴国

◎こんなふうに倭国三十国を案内するのが「三国志」の編者、陳壽の実力なのである。陳壽の実力の前には、凡人はただひれ伏すしかない。ところが愚かな日本人は、「魏志倭人伝」の方に問題があると言って憚らない。中国の史書がどんなに恐ろしいものか、読んだことも無いし、知らないからである。

◎一つくらい、例を挙げないと信じてもらえないだろうから、例え話をすると、司馬遷の「史記」に『項羽本紀』がある。まあ、司馬遷の「史記」の中でも、ピカイチなのが『項羽本紀』であることは誰でも承知している。それくらい、司馬遷は項羽贔屓である。

◎何度か『項羽本紀』は読んでいる。ある時、暇に任せて『項羽本紀』の字数を数えてみたことがある。『項羽本紀』の全字数が6996字であることを知って驚いた。これが司馬遷の実力だと恐れ入った。

◎司馬遷の「史記」の愛読者なら、そういうことは日常茶飯事に誰でも経験していることである。ちなみに、司馬遷は「史記」全文を五十二万六千五百字で書いたと『太史公自序』に明記している。流石に、「史記」全文を数える気にはならないけれども。

◎三世紀に、陳壽に拠って書かれた「魏志倭人伝」は、多分、私たち日本人へのメッセージであり、宿題であり、贈り物であるに違いない。それを二十一世紀になった現代に於いてすら、未だに読み解くことができない。日本人とは、何とも出来の悪い民族と言うしかない。陳壽も呆れ果てているだろう。

◎卑弥呼が何者であるか。それを知る為には、何より「魏志倭人伝」を読むことである。卑弥呼は「魏志倭人伝」に書かれた史実である。それ以上でも以下でもない。幸い、「魏志倭人伝」を書いた陳壽は中国を代表する史家の一人である。

◎「魏志倭人伝」を読むと判るのだが、陳壽は全身全霊を込めて「魏志倭人伝」を書いている。そのことを教えてくれるのが、「三国志」魏書・巻三十『烏丸鮮卑東夷伝』の序文である。その『烏丸鮮卑東夷伝』の序文に、次の表現がある。
  中国失禮、求之四夷、猶信。

◎これは、
  中国禮を失し、之を四夷に求む、猶ほ信ずるがごとし。
と読み、
  中国はすでに禮を忘れて、それを夷狄の倭国に教えられる。信じられないかも知れないが本当である。
とでも、訳すのだろう。

◎中国に於いて、禮は大きな徳とされる。中国の検索エンジン百度の百度百科では、次のように案内している。
        礼 (汉字)
   礼,lǐ,
   (1) 会意。从示,从豊( lǐ)。“豊”是行礼之器,在字中也兼表字音。本义:举行仪礼,祭神求福。
   (2) 同本义 [offer sacrificer to gods]
   1. 社会生活中,由于道观念和风俗习惯而形成的仪节:婚~。丧(sāng)~。典~。
  https://baike.baidu.com/item/%E7%A4%BC/2325032?fr=aladdin

◎基本的に「儀礼を挙行し、神を祭り福を求める」行為が『禮』であり、「道徳観念とか風俗習慣として儀節を行うこと」が『禮』だとされる。

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