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日本仏教伝来の島:普陀山

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○前々回、ブログ『日本への仏教伝来』に続けて、『日本仏教伝来の島:普陀山』を書く予定であった。ところが書いてうちに『日本仏教伝来の時期』が長くなって、ブログ名を『日本仏教伝来の時期』と変更した。前回、再び『日本仏教伝来の島:普陀山』を書き始めたが、今度は神仏混淆の宗教の話が長くなってしまい、再び題名を『神仏混淆の宗教』とする羽目となった。なかなかブログ『日本仏教伝来の島:普陀山』がまとまらない。

○普陀山は中国浙江省舟山群島に存在する島である。観音信仰の聖地として知られる。ウィキペディアフリー百科事典が案内する普陀山は、次の通り。
      普陀山
   普陀山(ふださん、拼音: Pǔtúo Shān)は中華人民共和国浙江省・舟山群島にある島。中国四大仏教
  名山(仏教の聖地。五台山、九華山、峨眉山、普陀山)の一つで、観音菩薩が祀られている。年間360万
  人を超える観光客が訪れる。
   当地が観音霊場となった由来は、後述の「普済禅寺」の項にも記述される通り、916年、中国への渡来
  僧である慧萼(えがく)が、中国留学を終えて日本に帰国しようとした際、日本に招来しようとした観
  音菩薩が当地で日本に渡ること拒んだ(=不肯去)、という故事にちなんでいる。よって、その観音菩
  薩は「不肯去観音」と称されており、そのお堂は「不肯去観音院」と呼ばれる。以後、この舟山群島中
  の普陀山は、観音菩薩の浄土である補陀落に擬せられ、人々の信仰を集める中国有数の霊場となった。
  「普陀山」という名称の由来も、「補陀落」である。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AE%E9%99%80%E5%B1%B1

○中国の検索エンジン百度の百度百科が案内する普陀山は、次の通り。
      普陀山 (中国佛教四大名山之一)
   普陀山,与山西五台山、四川峨眉山、安徽九华山并称为中国佛教四大名山,是观世音菩萨教化众生
  的道场。普陀山是舟山群岛1390个岛屿中的一个小岛,形似苍龙卧海,面积近13平方公里,与舟山群岛
  的沈家门隔海相望,素有“海天佛国”、“南海圣境”之称,是首批国家重点风景名胜区。2007年(丁
  亥年)5月8日,舟山市普陀山风景名胜区,经国家旅游局正式批准,为国家5A级旅游风景区。“海上有
  仙山,山在虚无缥缈间”,普陀山以其神奇、神圣、神秘,成为驰誉中外的旅游胜地。普陀山是国务院
  首批公布的44个国家级重点风景名胜区之一,中国国家5A级旅游景区,全国文明山、卫生山,浙江省唯
  一的ISO14000国家示范区。
  https://baike.baidu.com/item/%E6%99%AE%E9%99%80%E5%B1%B1/6618?fr=aladdin

○「百度百科」では、別に普陀山风景区項目も存在する。
      普陀山风景区
   普陀山,国家5A级旅游景区,国家首批重点风景名胜区,全国文明风景旅游区示范点,全国保护旅游
  消费者权益示范单位,ISO14000国家示范区,全球优秀生态旅游景区,中国佛教四大名山之一。
   普陀山位于浙江杭州湾以东莲花洋,钱塘江口、舟山群岛东南部海域,景区包括普陀山、洛迦山、朱
  家尖,总面积41.95平方公里,其中普陀山本岛12.5平方公里,最高峰佛顶山海拔292米。普陀山既有悠
  久的佛教文化,又有丰富的海岛风光,古人称之为“海天佛国”、“南海圣境”、“人间第一清静境”。
   普陀山大海怀抱,金沙绵亘,景色优美,气候宜人。著名景点如潮音洞、梵音洞、朝阳洞、磐陀石、
  二龟听法石、百步沙、千步沙、普济寺、法雨寺、慧济寺、南海观音、大乘庵等。内外交通便捷,旅游
  环境良好。每年农历二月十九、六月十九、九月十九是观音香会、朝圣盛典,海内外香游客摩肩接踵、
  蜂拥而之。“海上有仙山,山在虚无缥缈间”,普陀山以其神奇、神圣、神秘,成为驰誉中外的旅游胜地。
  https://baike.baidu.com/item/%E6%99%AE%E9%99%80%E5%B1%B1%E9%A3%8E%E6%99%AF%E5%8C%BA/6324804?fromtitle=%E6%99%AE%E9%99%80%E5%B1%B1&fromid=18664363#viewPageContent

●当古代文化研究所では、これまでに普陀山には5回参詣している。
  ・第一回:2012年3月12日:書庫「海天佛国:普陀山」:31個のブログ
    http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1204492.html?m=l
  ・第二回:2012年7月18日:書庫「普陀山・洛迦山」:29個のブログ
    http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1210153.html?m=l&p=1
  ・第三回:2012年11月10日:書庫「寧波三歩・洛迦山参詣」:34個のブログ
    http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1221590.html?m=l&p=1
  ・第四回:2013年3月16日:書庫「観音信仰の島:普陀山」:14個のブログ
    http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1228925.html?m=l
  ・第五回:2013年10月13日:書庫「日本仏教伝来の普陀山」:37個のブログ
    https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1241668.html?m=l&p=1

●日本への仏教伝来は今のところ、六世紀で朝鮮半島経由だと言われる。しかし、三世紀の中国の正史である「三国志」を読むと、三世紀の倭国三十国は次のように案内されることが判る。
  【渡海三国】
    ・狗邪韓国・対馬国・壱岐国
  【北九州四国】
    ・末廬国・伊都国・奴国・不弥国
  【中九州二十国】
    ・斯馬国・巳百支国・伊邪国・都支国・邇奴国・好古都国・不呼国
    ・姐奴国・対蘇国・蘇奴国・呼邑国・華奴蘇奴国・鬼国・為吾国・
    ・鬼奴国・邪馬国・躬臣国・巴利国・支惟国・烏奴国・(奴国)
  【南九州三国】
    ・投馬国・邪馬台国・狗奴国

●その倭国の女王が卑弥呼で、卑弥呼は邪馬台国に居たとされる。いろいろなことを勘案すると、邪馬台国は現在の薩摩半島に該当することが判る。後世の薩摩国である。その薩摩国名も誰も明らかにしようとしない。

●薩摩国のことは薩摩国人に聞くに如くは無い。江戸時代に、そういうことを丹念に研究した国学者が居る。名を白尾國柱と言う。彼の書いた名著、「麑藩名勝考」の冒頭は、次のように始まっている。
      【薩摩國】
   薩摩者幸島也。取諸天孫紀所謂山幸・海幸之義。萬葉集有薩男・薩人・薩弓・薩矢等之称。
  皆就兵或猟而言。此乃出自山幸・海幸之證矣。冠辞考曰、薩男・佐豆人なども左知男・左知人と言ふ
  べきを、知と豆と音通へば、後に左通男・左都人と言ふ。摩者島之略、往昔は日向より薩摩かけての
  地を島門と言ひしも、幸島之門の省ける歟と思はる。島とは、此の方にては、周廻に界限のありて、
  一區なる域を言ふ名なり。本は必ず海のみならず、國中にて山川などの環れる地にも言へり、と國號
  考に見えたり。

●まあ、何とも名文であることに感心する。なかなかこれだけの文を書くことはできない。白尾國柱会心の作であることは疑いない。これを読んだだけで、白尾國柱の力量がどれ程のものかが判ると言うものだ。白尾國柱がこの冒頭文にどれだけのエネルギーを費やしているかも理解できる。

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