○立春に寄せて。羅隠の『京中正月七日立春』詩、張九齡の『立春日晨起對積雪』と続けているが、今回は韓愈の『春雪』詩である。
【原文】
春雪
韓愈
新年都未有芳華
二月初驚見草芽
白雪卻嫌春色晚
故穿庭樹作飛花
【書き下し文】
春雪
韓愈
新年、都て未だ芳華有らず、
二月、初めて草芽を見るに驚く。
白雪、卻て春色の晚を嫌ひ、
故に、庭樹を穿て飛花と作す。
【我が儘勝手な私訳】
新年になったのに、寒さは厳しく、何処にも春花の気配が感じられない、
二月になって、ようやく春草が芽吹き始めて驚かされた。
白雪は、かえって春景色の季節になることを嫌うかのように、
わざと花咲く庭木を目掛けて吹き当り、花びらを散らせている。