Quantcast
Channel: 古代文化研究所
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

韋莊:立春

$
0
0

○立春に寄せて。羅隠の『京中正月七日立春』詩、張九齡の『立春日晨起對積雪』、韓愈の『春雪』詩と続けているが、今回は韋莊の『立春』詩である。
  【原文】
      立春
         韋莊
    青帝東來日馭遲
    暖煙輕逐曉風吹
    罽袍公子樽前覺
    錦帳佳人夢裡知
    雪圃乍開紅菜甲
    彩幡新翦楊絲
    殷勤為作宜春曲
    題向花箋帖繡楣

  【書き下し文】
      立春
         韋莊
    青帝の東來して、日の馭るの遲く、
    暖煙の輕逐して、曉の風の吹く。
    罽袍の公子は、樽前を覺え、
    錦帳の佳人は、夢裡を知る。
    雪圃は乍ち開く、紅菜の甲、
    彩幡は新たな翦、楊の絲。
    殷勤に宜春の曲を作り為し、
    題して花箋、帖繡、楣に向かふ。

  【我が儘勝手な私訳】
    春の神、青帝が東からやって来て、しだいに日が長くなって、
    暖炉の煙も軽やかに高く昇って、夜明けの風がそれを吹き流して行く。
    立派な外套を羽織った若者は、春の宴会の味を覚えるし、
    御殿の奥深く暮らす美人は、春に自分が別世界に生きていることを知る。
    真っ白な雪の畠を掘ると、紅菜頭が忽ち出て来るし、
    立春を飾る彩勝を緑の柳の糸のように細く、新しく切る。
    心を込めて迎春の詩文を作り為して、
    書こうと思って美紙や立派な布や柱に向かうことである。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

Trending Articles