○立春詩の案内を続けている。今回案内するのは、吳文英の『祝英台·除夜立春』詞である。
【原文】
祝英台·除夜立春
吳文英
剪紅情,裁意,花信上釵股。
殘日東風,不放歲華去。
有人添燭西窗,不眠侵曉,笑聲轉新年鶯語。
舊尊俎,玉纖曾擘黃柑,柔香系幽素。
歸夢湖邊,還迷鏡中路。
可憐千點吳霜,寒消不盡,又相對落梅如雨。
【書き下し文】
祝英台·除夜立春
吳文英
紅を剪る情、を裁つ意、花信は釵股の上なり。
殘日の東風は、歲華の去るを放たず。
人の燭を西窗に添ふる有り、曉を侵すまで眠らず、笑聲の新年を轉じ、鶯の語る。
舊尊俎に、玉纖の曾て黃柑を擘けば、柔香の幽素を系ぶ。
湖邊に歸夢すれば、鏡中路に還るに迷ふ。
憐れむべし、千點の吳霜、寒さは消え盡きず、又た相對す、落梅の雨の如くなるに。
【我が儘勝手な私訳】
紅い紙を切って、縁取りして、彩勝を作れば、簪の上に花を飾る。
除夜に吹く春風は、歳が改まるのを妨げたりしない。
西側の窓に燭台を灯して、夜が明けるまで眠らず、皆で笑顔で新年を迎え、
元旦の朝、鶯の声を聞く。
古い尊俎に、女性が黃柑を剥いて出せば、蜜柑の幽美純潔な香りが香る。
湖畔で帰郷する夢を見ていると、湖水の中の道に、帰り道を見失った。
頭が真っ白なのを当然、憐れむべきだし、寒さは弱まったがまだまだ寒いし、
この季節、風が吹くと、梅の花が雨が降るかのように散っているのを見る。
【原文】
祝英台·除夜立春
吳文英
剪紅情,裁意,花信上釵股。
殘日東風,不放歲華去。
有人添燭西窗,不眠侵曉,笑聲轉新年鶯語。
舊尊俎,玉纖曾擘黃柑,柔香系幽素。
歸夢湖邊,還迷鏡中路。
可憐千點吳霜,寒消不盡,又相對落梅如雨。
【書き下し文】
祝英台·除夜立春
吳文英
紅を剪る情、を裁つ意、花信は釵股の上なり。
殘日の東風は、歲華の去るを放たず。
人の燭を西窗に添ふる有り、曉を侵すまで眠らず、笑聲の新年を轉じ、鶯の語る。
舊尊俎に、玉纖の曾て黃柑を擘けば、柔香の幽素を系ぶ。
湖邊に歸夢すれば、鏡中路に還るに迷ふ。
憐れむべし、千點の吳霜、寒さは消え盡きず、又た相對す、落梅の雨の如くなるに。
【我が儘勝手な私訳】
紅い紙を切って、縁取りして、彩勝を作れば、簪の上に花を飾る。
除夜に吹く春風は、歳が改まるのを妨げたりしない。
西側の窓に燭台を灯して、夜が明けるまで眠らず、皆で笑顔で新年を迎え、
元旦の朝、鶯の声を聞く。
古い尊俎に、女性が黃柑を剥いて出せば、蜜柑の幽美純潔な香りが香る。
湖畔で帰郷する夢を見ていると、湖水の中の道に、帰り道を見失った。
頭が真っ白なのを当然、憐れむべきだし、寒さは弱まったがまだまだ寒いし、
この季節、風が吹くと、梅の花が雨が降るかのように散っているのを見る。