○立春詩の案内を続けている。今回案内するのは、楊萬里の『雪後晩晴,四山皆青,惟東山全白。賦最愛東』詩である。
【原文】
雪後晩晴,四山皆青,惟東山全白。賦最愛東
楊萬里
只知逐勝忽忘寒
小立春風夕照間
最愛東山晴後雪
軟紅光裡湧銀山
【書き下し文】
雪の後に晚に晴、四山皆青きに、惟だ東山のみ全白なり。
賦すに最も東を愛す。
楊萬里
只だ逐勝を知れば、忽ち寒さを忘る、
小さな立春の風が、夕べに照る間。
最も愛するは東山、雪の後の晴、
軟らかな紅光の裡、銀山の湧く。
【我が儘勝手な私訳】
雪が降った後、夕方に晴れて、四方の山々は皆緑なのに、
ただ東の山だけが真っ白だった。その東山を最も愛して作った詩。
楊萬里
絶景を見ていると、人はそのまま寒さまで忘れてしまう、
立春の日の柔らかい風が、夕日が照る時間に吹いて来た。
私が最も愛するは東山だ、一日雪が降った夕方、初めて晴れて、
軟らかな夕方の赤い光の中、東山は銀山となって湧き出て来た。
〇楊萬里の立春詩は、これまで二つも訳している。
・書庫「無題」:ブログ『楊萬里:十二月二十一日迎春』
https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/41291781.html
・書庫「無題」:ブログ『楊萬里:臘里立春蜂蝶輩出』
https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/41300116.html