Quantcast
Channel: 古代文化研究所
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

高適:薊門行五首・其二

$
0
0

○高適の『薊門行五首』詩を訳そうとしたら、『薊門行五首』詩には、長い長い歴史が存在するらしいことを理解した。途中で、一回、そういう話をしているが、ここで最後にきちんと整理しておきたい。

○まず最初に考えたのは、『艶歌行』の5作品であった。
   愆然敝棔П隹旅圈
  ◆懷羃旅圈粉捜柯楞袁族零罅法
  『曹植:艷歌行』
  ぁ慘Φ х羃旅圈
  ァ慘義恭:艷歌行』

○続けて、『出自薊北門行』の4作品を案内した。
  £詐函代出自薊北門行
  ⊇諭Ы仄薊北門行
  庾信:出自薊北門行
  ね髻Ы仄薊北門行

○次に、「古艷歌」3作品を見た。
   憇柯棔垳島羃痢奸塀藐於《太平御覽》的詩)』
  古艷歌(初見於《藝文類聚》的詩)
  8島羃痢粉捜柯棔

○序で、『陌上桑』詩を11作品案内している。
  ¥綏(漢楽府诗)
  陌上桑(曹操詩作)
  o綏(魏文帝曹丕詩)
  わ綏(魏國曹植詩)
  ワ綏(呉均詩作)
  陌上桑(王筠詩作)
  э綏(王台卿詩作)
  陌上桑 (唐代李白詩作)
  陌上桑(陸龜蒙詩作)
  陌上桑(北宋·文彦博詩)
  陌上桑(元代王冕詩)

○併せて、『詩經:國風・鄘風・桑中』も紹介した。
  〇辣粥г風・鄘風・桑中


○つまり、これまでに、合計24作品を見て来ている。高適の『薊門行五首』詩を読むと言うことは、そういう文化的背景を見ないと、理解されない。何とも、中国詩と言うのは、奥が深い。

○なかなかこういう読書をする機会は無い。偶々、高適の『薊門行五首』詩を読むに際して、そういう機会が得られたことに感謝したい。

○ただ、もう一回、こういう作業を続けるかと問われたら、御免蒙ると返答するしかない。こういう読書は、何とも時間が掛かるし、面倒でもある。ただ、こういう読書は無上に楽しいことも事実である。

○閑話休題、随分と久しぶりに、高適の『薊門行五首』に立ち返り、訳を続けたい。今回は『薊門行五首・其二』になる。

  【原文】
      薊門行五首【其二】
         高適
    漢家能用武
    開拓窮異域
    戍卒厭糠核
    降胡飽衣食
    關亭試一望
    吾欲涙沾臆

  【書き下し文】
      薊門行五首【其二】
         高適
    漢家は能く武を用ひ、
    異域の窮まれるを開拓す。
    戍卒は糠核を厭ひ、
    降胡は衣食に飽く。
    關亭にて試みに一望せん、
    吾が涙の臆を沾さんと欲す。

  【我が儘勝手な私訳】
    漢王朝は盛んに武力を以て、
    国境の先の外国を自国に取り入れようと画策した。
    国境警備の戦士たちは粗末な食事や食物に辟易し、
    降伏した夷狄たちは捕虜生活に満足している。
    国境近くの砦の上に立って眺望すれば、
    私が流す涙が胸を濡らさずにはいない。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

Trending Articles