○高適の『薊門行五首』詩を訳そうとしたら、『薊門行五首』詩には、長い長い歴史が存在するらしいことを理解した。途中で、一回、そういう話をしているが、ここで最後にきちんと整理しておきたい。
○まず最初に考えたのは、『艶歌行』の5作品であった。
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◆懷羃旅圈粉捜柯楞袁族零罅法
『曹植:艷歌行』
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ァ慘義恭:艷歌行』
○続けて、『出自薊北門行』の4作品を案内した。
£詐函代出自薊北門行
⊇諭Ы仄薊北門行
庾信:出自薊北門行
ね髻Ы仄薊北門行
○次に、「古艷歌」3作品を見た。
憇柯棔垳島羃痢奸塀藐於《太平御覽》的詩)』
古艷歌(初見於《藝文類聚》的詩)
8島羃痢粉捜柯棔
○序で、『陌上桑』詩を11作品案内している。
¥綏(漢楽府诗)
陌上桑(曹操詩作)
o綏(魏文帝曹丕詩)
わ綏(魏國曹植詩)
ワ綏(呉均詩作)
陌上桑(王筠詩作)
э綏(王台卿詩作)
陌上桑 (唐代李白詩作)
陌上桑(陸龜蒙詩作)
陌上桑(北宋·文彦博詩)
陌上桑(元代王冕詩)
○併せて、『詩經:國風・鄘風・桑中』も紹介した。
〇辣粥г風・鄘風・桑中
○つまり、これまでに、合計24作品を見て来ている。高適の『薊門行五首』詩を読むと言うことは、そういう文化的背景を見ないと、理解されない。何とも、中国詩と言うのは、奥が深い。
○なかなかこういう読書をする機会は無い。偶々、高適の『薊門行五首』詩を読むに際して、そういう機会が得られたことに感謝したい。
○ただ、もう一回、こういう作業を続けるかと問われたら、御免蒙ると返答するしかない。こういう読書は、何とも時間が掛かるし、面倒でもある。ただ、こういう読書は無上に楽しいことも事実である。
○閑話休題、随分と久しぶりに、高適の『薊門行五首』に立ち返り、訳を続けたい。今回は『薊門行五首・其二』になる。
【原文】
薊門行五首【其二】
高適
漢家能用武
開拓窮異域
戍卒厭糠核
降胡飽衣食
關亭試一望
吾欲涙沾臆
【書き下し文】
薊門行五首【其二】
高適
漢家は能く武を用ひ、
異域の窮まれるを開拓す。
戍卒は糠核を厭ひ、
降胡は衣食に飽く。
關亭にて試みに一望せん、
吾が涙の臆を沾さんと欲す。
【我が儘勝手な私訳】
漢王朝は盛んに武力を以て、
国境の先の外国を自国に取り入れようと画策した。
国境警備の戦士たちは粗末な食事や食物に辟易し、
降伏した夷狄たちは捕虜生活に満足している。
国境近くの砦の上に立って眺望すれば、
私が流す涙が胸を濡らさずにはいない。