○高適の詩案内を続けているが、今回は高適の『自薊北歸』詩である。
【原文】
自薊北歸
高適
驅馬薊門北
北風邊馬哀
蒼茫遠山口
豁達胡天開
五將已深入
前軍止半回
誰憐不得意
長劍獨歸來
【書き下し文】
薊北より帰る
高適
馬を駆る、薊門の北、
北風に、辺馬哀しむ。
蒼茫たり、遠山の口、
豁達として、胡天開く。
五将、已に深く入り、
前軍、止だ半ば廻る。
誰か憐れまん、意を得ずして、
長剣、独り帰り来たるを。
【我が儘勝手な私訳】
馬を走らせて、薊門関の北から帰ろうとする、
北風の中から、軍馬の遠鳴きする声が聞こえて来る。
遥か彼方の山際まで、荒涼たる草原が続いているのが見える、
そこは一面、匈奴の占有支配する土地である。
漢の宣帝の時より、五將軍がここに進出して以来、
前線から無事に生還した者は、半数も居ないと言う。
誰が憐れんでくれると言うのか、自分の思いを果たせずに、
一人寂しく、柱に寄り掛かり、剣を弾いて嘯く私のことを。
【原文】
自薊北歸
高適
驅馬薊門北
北風邊馬哀
蒼茫遠山口
豁達胡天開
五將已深入
前軍止半回
誰憐不得意
長劍獨歸來
【書き下し文】
薊北より帰る
高適
馬を駆る、薊門の北、
北風に、辺馬哀しむ。
蒼茫たり、遠山の口、
豁達として、胡天開く。
五将、已に深く入り、
前軍、止だ半ば廻る。
誰か憐れまん、意を得ずして、
長剣、独り帰り来たるを。
【我が儘勝手な私訳】
馬を走らせて、薊門関の北から帰ろうとする、
北風の中から、軍馬の遠鳴きする声が聞こえて来る。
遥か彼方の山際まで、荒涼たる草原が続いているのが見える、
そこは一面、匈奴の占有支配する土地である。
漢の宣帝の時より、五將軍がここに進出して以来、
前線から無事に生還した者は、半数も居ないと言う。
誰が憐れんでくれると言うのか、自分の思いを果たせずに、
一人寂しく、柱に寄り掛かり、剣を弾いて嘯く私のことを。