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陳子昂:感遇詩三十八首・其二

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○陳子昂の『薊丘覽古贈盧居士藏用七首(並序)』、『登幽州臺歌』詩と見てきているが、陳子昂には連作『感遇詩三十八首』と言う大作があると言う。とても全部を案内できるものではないが、その幾つかを紹介したい。

○今回は、陳子昂『感遇詩三十八首』詩の其の二を、案内したい。
  【原文】
      感遇三十八首:其二
          陳子昂 
    蘭若生春夏
    芊蔚何
    幽獨空林色
    朱蕤冒紫莖
    遲遲白日晩
    嫋嫋秋風生
    歳華盡搖落
    芳意竟何成

  【書き下し文】
      感遇三十八首:其二    
        陳子昂 
    蘭若は、春夏に生じ、
    芊蔚として、何ぞ青青たる。
    幽獨、空林の色、
    朱蕤、紫莖を冒す。
    遲遲たる白日の晩、
    嫋嫋と秋風の生ず。
    歳華は盡く搖落し、
    芳意、竟に何をか成さん。

  【我が儘勝手な私訳】
    蘭草や杜若などの水辺の草は、春から夏にかけて成長し、
    その生い茂るさまは、何と青々と茂っていることか。
    蘭草や杜若は、一本でひっそりと咲き、林の中で目立っている、
    赤く垂れ下がった花は、紫色の茎まで続いている。
    なかなか日の落ちない春の太陽も、ようやく暮れようとする夕方は、
    もう、そよそよと秋風が吹き始める季節となる。
    一年生草木は全てが凋零し枯れ果て、
    春意は、一体、何を成そうとしているのだろうか。

○陳子昂『感遇詩三十八首』詩は、なかなか難解な詩である。加えて、三十八首もの連作であるから、詩想の流れも存在する。したがって、其の二だけ単独で理解することは非常に危険だし、不可能でもある。

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