Quantcast
Channel: 古代文化研究所
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

陳子昂:度荊門望楚

$
0
0

○陳子昂の詩を案内し続けているが、今回は、陳子昂の『度荊門望楚』詩である。

  【原文】
      度荊門望楚
        陳子昂
    遙遙去巫峽
    望望下章台
    巴國山川盡
    荊門煙霧開
    城分蒼野外
    樹斷白雲隈
    今日狂歌客
    誰知入楚來

  【書き下し文】
      荊門を度り楚を望む
        陳子昂
    遙遙と巫峽を去れば、
    望望と章台へと下る。
    巴國の山川の盡き、
    荊門の煙霧の開く。
    城は蒼野の外を分かち、
    樹は白雲の隈を斷つ。
    今日、狂歌の客、
    誰か知る楚に來り入るに。

  【我が儘勝手な私訳】
    巫峽から、遥々と狭い長江の急流を下ってくると、
    広々とした、春秋時代、楚國の離宮であった章華台に至る。
    何処までも続く巴国の山川が、ようやく終わりを告げ、
    荊門山が煙霧の中に浮かんでいるのを見る。
    城壁が青々とした田畑と人の住むところとを区分し、
    山々が白雲の彼方に視界を遮っている。
    春秋時代に、楚國には陸通と言う隱士が居たが、
    今の世に、一体、どれほどの人が接輿を知っていると言うのか。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

Trending Articles