○先日、2013年12月12日に、霧島山高千穂峰に登ったばかりである。それからまだ20日も経っていない。12月28日に、再び、霧島山高千穂峰へ登って来た。
○その理由は、写真を撮るためである。霧島山高千穂峰に於ける日没の景色の良い写真がどうしても撮りたい。それで再度霧島山高千穂峰へ登って来た。
○もうすぐ、元日で、霧島山高千穂峰には、大勢の人が初日の出を楽しむ為に登山する。誰もが日の出の風景に憬れて山に登る。富士登山なら、夜を徹して山に登る人も多い。山で、日没を楽しむ人は少ない。
○しかし、天孫降臨の世界山、霧島山高千穂峰で、望むべき景色は日没であって、日の出の風景では無い。古事記や日本書紀が案内する霧島山高千穂峰の風景は、実は日没の風景なのである。そういう写真を撮りたいと思って霧島山高千穂峰へ登って来た。
○数日前から、その機会を窺って、天気の良い日を探していた。28日は、朝から絶好の天気であった。それでも、日没まで待つしかないわけである。我が家を出たのは午後2時ちょうどであった。
○折角だから、今回は高原町の狭野神社から登ろうと思って出掛けた。都城ICから高速に乗ると、霧島連山が美しい。今日こそは良い写真が撮れるだろうと期待一杯で車を走らせた。
○高原ICで高速を降り、コンビニで飲料食料を調達後、狭野神社へ参拝。午後2時50分に登山口に到着した。登山口には車が一台だけ駐車していた。もともと、ここからの登山客はそれほど多くはない。
○午後3時ちょうどに登山開始。登山口の標高はおよそ710叩このルートの名は、「天孫降臨ルート」と命名されていた。高校生の頃には、高千穂登山と言えば、ほとんどこのルートであった。都城から国鉄吉都線の高原駅まで行き、高原駅から歩いて高千穂峰へ登っていた。何しろ当時、我が家から何処の山に登るより安くて登れる山が高千穂登山であった。だから、ある意味、懐かしい登山道でもある。
○昔は、高原駅から歩いていたわけだから、標高200辰ら1574辰泙如■隠械沓喚辰眦个蕕覆てはならなかった。とにかく元気だけが取り柄の高校生には格好の登山であった。
○今は林道が延びて、標高710辰泙納屬嚢圓韻襦だから随分と楽になった。それでも60才過ぎの老齢には大変である。見晴らしの利かない林間を兎に角、ひたすら登る。
○途中、一人の登山客が降りて来た。どうやら、登山口の車の主らしい。挨拶すると、「今から登山ですか」と聞かれる。当たり前である。普通なら、下山している時刻である。「夕日の写真が撮りたくて、登って来ました」と答えると、「今日は、天気が良くて、最高の見晴らしですよ」と教えていただいた。これは大いに期待出来そうである。
○第二展望所に着いた時、午後4時であった。予定では尾根道に4時に到着するつもりだったから、随分遅れている。第二展望所からは、木々の間から双子岩や尾根道、高千穂山頂が見える。それで急ごうとは思うのだけれども、なかなか足が思うように進まない。
○第二展望所から先の登山道は、全く氷っていた。風が冷たい。登山道脇の崖には、立派な氷柱が下がっている。久し振りに見た氷柱である。
○結局、尾根道到着は午後4時30分であった。尾根道に出たら、とにかく風が強くて参った。それに雲が湧き出し始めていた。懸命に頑張って、高千穂山頂に立ったのは午後5時10分であった。今日の日没時間は午後5時18分である。何とか、その時間に間に合った。
○強風の中、高千穂山頂には、この時間、もちろん、誰も居ない。加えて、風が雲を運んで来て、全く眺望が無い。何とも、悲惨な登山となってしまった。
○それでも、雲の合間に、少しでも見えないかと、山頂避難小屋で、20分ほど待機した。少し明るくなったりはするけれども、雲の切れ間はなかった。諦めて、午後5時30分に、山頂を離れた。
○次第に暗くなったので、尾根道の別れ道でヘッドライトを点灯して下山。下りなのだが、なかなか思うように先へ進まない。無論、単独登山だから、十分用心しながら下りた。
○登山口到着は、午後7時30分であった。ゼンリン登山ハイキング49「霧島開聞岳」では、標準時間が登り160分、下り115分となっている。私は登り160分、下り120分であった。
○帰る途中、高原の極楽温泉に立ち寄り、ゆっくり温泉に浸かって帰った。我が家に帰り着いたのが9時前であった。なかなか寂しいし、厳しい登山でもあったが、登山はこういうものである。良い時もあれば、悪条件だってある。次回に期待したい。
○そう言えば、20年以上前に、この狭野神社から高千穂峰を経て、霧島山縦走をしたことがある。5人のパーティで、正月4日から6日にかけてだったと思う。皇子原に幕営し、未明に登山開始した。ようやく明るくなった第二展望所から先は大雪で、往生した。雪は膝下くらいまであった。7時前に高千穂山頂に立ち、日の出を見る予定が、山頂到着は10時過ぎで、高千穂河原ですでに12時を過ぎていた。それでも縦走を敢行し、中岳・新燃岳・獅子戸岳・韓国岳を経て、えびの高原到着は午後7時を過ぎていた。多分、15時間ひたすら歩いた。えびの高原で幕営しようとしたら、地面が氷っていて、ペグが立たなかった。
○翌日は、来たルートを折り返す予定だったが、流石に諦めて、車道を歩いて高千穂河原まで行った。積雪は膝上まであって、もちろん、道路は通行止めで、歩くのも大変であった。高千穂河原から先は、高千穂峰に登らず、林道を利用して高千穂峰を巻いて帰った。途中、鹿の群れに出会った。何とも大変な山行であった。
○高千穂登山天孫降臨コースは、人の少ない登山道だが、ゆっくり山行を楽しむには、最高の登山道である。私にとっては、青春の懐かしい登山道でもある。