○これまで、天台山や普陀山、杭州径山寺・霊隠寺・浄慈寺、寧波天童寺・阿育王寺、廬山、九華山、黄山などに参詣しているが、南岳衡山山上の雰囲気は、そのいずれとも様相を異にする。もっとも、私が出掛けたのは、南岳衡山祝融峰だけであるから、実際その全てを実見しているわけではない。
○南岳衡山を見極めるには、少なくとも数日は要するだろう。僅か一日だけの訪問では、様子伺いくらいがせいぜいである。しかし、南岳衡山の空気に触れただけで、ここが尋常の地では無いことが理解される。
○参考の為、中国の検索エンジン百度の「百度百科」が案内する衡山項目では、『著名景点』として、次の三つを揚げる。
・南岳大庙
・藏经殿
・麻姑仙境
○同じ「百度百科」の衡山項目に、『名胜古迹』があって、それには以下を紹介している。
―僕司 ´∧ ´i经殿 て邀擔帘洞 ゲ饑桥 烟云
洞天福地 南天门 忠烈祠 莲花峰 磨镜台 南岳大庙
藏经殿 麻姑仙境 岣嵝峰
○別に、「百度旅游」が案内する衡山景点の 銑は、次のようになっている。
―僕司 ´⊃帘洞 V济寺 て酖门 テ邀拊蚓
κ ´ч经殿 磨镜台 麻姑仙境 半山亭
○これらのうち、私が今回の旅行で目にしたのは、
・祝融峰
・南岳大庙
・南天门
くらいのものである。おおよそ、南岳衡山参詣と言えば、最初に南岳大庙へ詣で、下站の南岳半山亭からケーブルカーに乗り、上站の南天門で下車し、祝融峰を目指すのが普通ではないか。
○今回の旅行で、「衡阳旅游」という冊子を購入した。それには、南岳衡山景勝地として、次のような項目を案内している。
―僕司 ´南岳大庙 C羃數臈ぁ ´た帘洞 ナ ´藏经殿
Ы圣寺 ╋刚舍利塔 穿岩詩林 忠烈祠 麻姑仙境 福严寺
南天门 上封寺 衡山碑坊 伊镜台
○何しろ、南岳衡山は、広大な山塊なのである。その最高峰が祝融峰であるに過ぎない。祝融峰に登ったくらいで、南岳衡山を訪れたとは言えないのかも知れない。ただ、現代人は忙しい。南岳衡山に、それほど時間を費やすことも出来ない。
○出来れば、南岳大庙へ最初に参詣し、その後ケーブルカーで南天門まで上がり、祝融峰へ登り、藏经殿へ廻り、麻姑仙境へと下るくらいはしたいものである。しかし、それには丸一日を要する。私に許された時間は約半日くらいしかなかった。
○ただ、南岳衡山参詣に当たり、南岳衡山がどういうところか、いろいろ調べることが出来た。そういう知識を得て、南岳衡山参詣が出来たことは貴重である。
○実は、昨年6月に長沙を訪問した際、南岳衡山のことが気になり、いろいろと調べた。しかし、時間が無くて、南岳衡山参詣は断念せざるを得なかった。だから、一年がかりで、ようやっと念願が適ったわけである。南岳衡山は、それに十分応えてくれる山であった。一回は、十分時間を掛けて参詣する必要を感じる山でもあると理解した。それほどの文化が南岳衡山には存在する。
○ただ、残念なのは、中国の寺院はほとんど破壊し尽くされ、現在建っているのは再興されたものばかりである。文物も残っているものは僅かなものに過ぎない。南岳衡山も、嘗ての名残がほとんど見受けられない。ただただ、中国は革命の国であることを実感させられる。
○六月半ばと言うのに、南岳衡山山中では、すでに蝉がけたたましく鳴いていた。南岳衡山は寿岳とされるが、生命力に溢れる山が南岳衡山なのであろう。そういう意味では、日本の熊野みたいなところが南岳衡山だと思った方が良い。
○取り敢えず南岳衡山参詣を果たすことは出来た。しかし、多くの課題を発見出来たことも間違いない。再度、時間を作って、ゆっくり南岳衡山を廻ってみたいものである。