○今回、夫子廟へ出掛けてみる気になったのには、理由がある。それは烏衣巷を訪れてみたかったからである。それに、昨年は夫子廟近くの南京白鹭宾馆ホテルに宿泊したから、白鹭洲公園や夫子廟界隈は何度も歩き回ったので、懐かしい場所となっていた。
○南京白鹭宾馆ホテルが存在したのは、文源橋のたもとだったが、烏衣巷が存在するのは、文源橋の一つ下流の文徳橋の奥になる。中国の検索エンジン百度『百度百科』が案内する烏衣巷は、次の通り。
乌衣巷(南京秦淮河南岸古巷)
乌衣巷在南京秦淮河南岸,是中国最古老而著名的巷名,三国时是吴国戍守石头城的部队营房所在地。
当时军士都穿着色制服,故以“乌衣”为巷名。
后为东晋时高门士族的聚居区,东晋开国元勋王导和指挥淝水之战的谢安都住在这里。
1997年,秦淮区人民政府恢复了乌衣巷,并重建了具有民族风格的王谢古居。
http://baike.baidu.com/subview/131760/7854735.htm?fr=aladdin
○烏衣巷の存在を知ったのは、劉禹錫の「烏衣巷」詩を読んだことに拠る。
烏衣巷
劉禹錫
朱雀橋邊野草花 朱雀橋の邊に、野草の花さき、
烏衣巷口夕陽斜 烏衣巷の口に、夕陽斜めなり。
舊時王謝堂前燕 舊時の王謝、堂前の燕の、
飛入尋常百姓家 飛びて入る、尋常百姓の家。
劉禹錫の「烏衣巷」詩については、昨年詳しく書いているので、そちらを参照されたい。
・書庫「六朝古都:南京」:ブログ『劉禹錫:烏衣巷』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/38715820.html
○他に、吳潛に「滿江紅:金陵烏衣園」がある。これについても、以下を参照されたい。
・書庫「六朝古都:南京」:ブログ『滿江紅:金陵烏衣園』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/38728473.html
○もともと三国時代に、呉の孫権が石頭城を築き、そこを守った兵隊の幕営所が烏衣巷だったとある。その後、西晋時代を経て、東晋時代に金陵は都となり、烏衣巷には東晋の政治家として名高い王導や謝安の屋敷が存在した。さらに、唐代になって、金陵を訪れた劉禹錫が「烏衣巷」詩を詠じ、宋代に吳潛が「滿江紅:金陵烏衣園」を吟じたことになる。
○こういう烏衣巷の歴史は、そのまま古都南京の歴史に繋がる。夫子廟を中心に、現在でも南京の下町風情を感じさせるのが烏衣巷界隈となっている。
○文徳橋のもう一つ下流の橋の名は「来燕橋」で、劉禹錫の「烏衣巷」詩に因んだ名となっている。現在、橋の近くに王謝古居が復元されている。『百度百科』にも、その項目が存在する。
王谢古居
王谢古居是南京夫子庙风景区里面的一个不可缺少的重要景点,该馆坐北朝南,形制优美,呈现一派
“青砖小瓦马头墙、回廊挂落花格窗”的格调,古朴典雅,溢彩流光。其主体建筑与附属建筑、内部建
筑与外部建筑纵横交替,相互垂直,紧密相连,构成了一组完整的艺术整体,与夫子庙地区的明清建筑
风格和谐相揉,协调一致,极为壮观。
【景点简介】
王谢古居位于乌衣巷内,该建筑落成于1997年,坐北朝南,东西长50.4米,南北宽19.6米,建筑面
积1000平方米,由来燕堂、听筝堂和鉴晋楼等部分组成,形制优美,古朴典雅。古居内设有东晋生活起
居陈列室、王谢家族变迁史陈列室和六朝历史生活用具陈列室,展览六朝文物。古居庭院的墙壁上嵌有
《竹林七贤图》、《对狮图》、《行乐图》等六朝砖印壁画复制品。庭院中有仿兰亭“曲水流觞”的汉
白玉九曲小池,配以竹石花木,优美雅静。
http://baike.baidu.com/view/6227861.htm
○現在の烏衣巷は、琵琶巷から白鹭洲公園に至る東西300辰力地を指すらしい。もともとは秦淮河南岸一帯を指す呼称であった。昨年宿泊した南京白鹭宾馆ホテルは、琵琶巷に存在した。だから、南京白鹭宾馆ホテルから烏衣巷までは、およそ300辰らいで、極めて近かったわけである。
○旅行前の計画では、6月20日の午後は石頭城を見学し、その後、秦淮河游船(秦淮画舫)に乗る予定であった。秦淮河游船(秦淮画舫)は次のような経路を取る。
游船航线:石头城遗址公园→鬼脸照镜子→清凉门→明城墙→西水关→赏心亭→赛虹桥→牧童遥指
→杏花村→越城遗址→长干门→长干桥→南都繁绘石刻图→中华门城堡
しかし、結構疲れていたので、急遽、午後の観光所を孫権の蒋陵と霊谷寺参詣に切り替えた。石頭城や、秦淮河游船(秦淮画舫)は、次回の南京訪問の楽しみにしておきたい。
○古都南京の歴史は古い。したがって、南京には見所が多い。到底、1回や2回の南京訪問で見尽くせるものでは無い。再度、時間を掛けて、ゆっくり南京訪問をしたいものである。