○長江は基本的に西から東へ流れている。その長江が南下して君山へぶつかり、再び西へ向きを変えたところに岳陽の町が存在する。
○洞庭湖は、東洞庭湖と、横岭湖とも呼ばれる西洞庭湖の二つの湖の総称である。増水したら、一つとなるから洞庭湖と総称されたのであろう。日本最大の湖琵琶湖が面積670.25平方千米であるのに対し、洞庭湖は面積2,820平方千米と言うのだから、兎に角、桁違いに大きな湖である。
○洞庭湖には、湘水や潇水、沅水を始め、無数の川が流れ注いでいる。だから雨期には洞庭湖は途轍もなく拡大成長する。その洞庭湖からの水が長江に注ぐところが岳陽楼の前となっている。
○だから、岳陽楼は岳陽城の西門と言うことになる。その城壁は大きく高い。その上に三層の岳陽楼が建っている。私が岳陽楼を訪れたのは、6月11日夕方で、あいにく岳陽楼の門は閉じてしまっていた。それでも城壁からでも十分洞庭湖を眺望することができた。
○劉禹錫に、「望洞庭湖」詩がある。もちろん、岳陽楼から眺めた洞庭湖であることは言うまでもない。
【原文】
望洞庭湖 劉禹錫
湖光秋月兩相和
潭面無風鏡未磨
遙望洞庭山水翠
白銀盤里一青螺
【書き下し文】
洞庭湖を望む
湖光秋月兩相和
潭面無風鏡未磨
遙望洞庭山水翠
白銀盤里一青螺
湖光秋月、両つは相和し、
潭面に風無く、鏡未だ磨かざる。
遥かに望む、洞庭の山翠の小なるを、
白銀盤里の一青螺。
【我が儘勝手な私訳】
水面に映える月の光と、天上に浮かぶ秋の月とは見事にマッチして、
洞庭湖に風も無いから、天上の秋の月が洞庭湖面にキラキラと映っている。
遥か彼方に小さく浮かぶ君山を望むと、
それはまるで銀のお盆に転がる青い田螺ではないか。
○やはり、岳陽楼から眺める洞庭湖は、夕方から夜に掛けてが最高なのであろう。私が訪れた時、岳陽楼は閉門していたが、それでも大勢の観光客と夕涼み客とで、岳陽楼公園は大賑わいであった。公園内の茶店でも、大勢の客が夕食を楽しんでいる。これから出て来る月を待っていたのかも知れない。
○岳陽楼では、洞庭湖を挟んだ、君山に日が落ちる。岳陽楼から君山までは、およそ4劼發△襦詩のイメージで実景を望むと、がっかりさせられるかも知れない。しかし、それは何も詩人が大袈裟であるわけではない。詩人は自らのイメージで詩を創作する。『白銀盤里一青螺』と言う表現は、何とも奇抜で、楽しい。それが詩の醍醐味である。
○中国の検索エンジン百度の百度百科には、劉禹錫「望洞庭湖」詩の項目が存在する。それほど、劉禹錫「望洞庭湖」詩は著名なのであろう。
望洞庭
【百科名片】
《望洞庭》是唐代诗人刘禹锡所作的一首山水小诗。此诗通过对洞庭湖高旷清超的描写,充分表现出
诗人的奇思异彩。第一句从水光月色的交融不分写起,表现湖面的开阔廖远;第二句用镜子的比喻表现
夜晚湖面的平静;第三句写远望湖中君山翠绿的色彩;第四句再用一个比喻,将浮在水中的君山比作搁
在白银盘子里的青螺。全诗纯然写景,既有细致的描写,又有生动的比喻,读来饶有趣味。(概述诗意
画来源)
作品名称: 《望洞庭》 创作年代: 中唐 作品出处: 《全唐诗》
文学体裁: 七言绝句 作者: 刘禹锡 题材: 山水诗
詳しくは、以下を参照されたい。
http://baike.baidu.com/view/248386.htm
○ついでに、洞庭湖と、君山も、簡単に紹介しておく。
洞庭湖[dòng tíng hú]
【百科名片】
洞庭湖,为我国第二大淡水湖,位于湖南省北部,长江荆江河段以南,面积2,820平方千米。洞庭湖
南纳湘、资、沅、澧四水汇入,北由东面的岳阳城陵矶注入长江,号称“八百里洞庭”。洞庭湖据传为
“神仙洞府”的意思,可见其风光之绮丽迷人。洞庭湖浩瀚迂回,山峦突兀,其最大的特点便是湖外有
湖,湖中有山,渔帆点点,芦叶青青,水天一色。春秋四时之景不同,一日之中变化万千。古人描述的
“潇湘八景”中的“洞庭秋月”、“远浦归帆”、“渔村夕照”、 “江天暮雪”等,至今都是东洞庭
湖的写照。湖北和湖南之称,即来源于洞庭湖。
http://baike.baidu.com/view/5852.htm
君山[jūn shān]
【简介】
君山风景图片(20张)君山,古称洞庭山、湘山、有缘山,是八百里洞庭湖中的一个小岛,与千古名楼
岳阳楼遥遥相对,总面积0.96平方公里,由大小七十二座山峰组成,被“道书”列为天下第十一福地,
现为国家级重点风景名胜区,国家AAAAA级旅游区。
http://baike.baidu.com/view/23360.htm
○やはり、岳陽楼の絶景は、洞庭湖に沈む夕陽であり、洞庭湖に浮かぶ秋月なのであろう。今回、洞庭湖に沈む夕陽を眺めることが出来た。洞庭湖に浮かぶ秋月も是非、見てみたいものである。