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卑弥呼の正体:其の十五

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○2017年7月10日(月)に、ブログ『卑弥呼の正体』を書き始めて、今日、7月24日(月)で、とうとう『卑弥呼の正体:其の十五』となってしまった。卑弥呼が何者であるかは、それ程、奥が深いし、大事な問題である。何故なら、卑弥呼は宗教上では日本仏教の原点みたいな存在だし、政治上では日本の国母そのものなのだから。

○卑弥呼がどういう存在であるか。それは邪馬台国の所在地とも深く関係している。ある意味、日本創世の日向神話が何故、日向国でなければならなかったのかを明らかにしてくれるのも、実は「魏志倭人伝」であり、邪馬台国であり、卑弥呼であることに驚く。

●今回、お話するのは、宝島と小宝島の話である。宝島や小宝島と言う島が何処に存在するかもご存じ無い方が多いのではないか。行政上は、鹿児島県鹿児島郡十島村に属するのが宝島であり小宝島である。古代より江戸時代までは、日本の最南端の島が宝島であり小宝島だったことになる。

●その宝島を舞台に描かれたのがイギリスのスチーブンソンの冒険小説「Treasure Island(宝島)」だと言うと、驚く。十九世紀に宝島の存在はイギリスにまで伝わっていたと言うのだから。もちろん、それは中国を通じての風評だったのだろうが。

●しかし、宝島には、しっかりイギリス人襲来の記録が残されている。天保十四年(1843)刊の「三国名勝図会」には、それが文政7年(1824)7月8日の大事件であると詳述している。
  ・書庫「ここまでわかった!邪馬台国」:ブログ『Treasure Island(宝島)』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/34561045.html

●スチーブンソンは冒険小説「Treasure Island(宝島)」で、宝島を海賊の島であり、財宝が山のように隠されていると誤解している。さすが外国人の判断である。何も宝島の歴史文化を理解しない人の妄想である。もっとも、中国の上海や揚州あたりでは、まことしやかにそういう噂が語られていた時代の話しである。

●しかし、正確には、宝島は三寶の島だとするしかない。三寶とは佛・法・僧を指す言葉である。それが宝島の名の由来である。そういう意味では、吐噶喇列島が吐火羅国であり、硫黄島が舎衛城であり、薩摩国が諸菩薩摩訶薩の国であることに見事に一致する。

●これが日向国の真の姿であり、邪馬台国の原型であり、卑弥呼の実像だと言えよう。だから、卑弥呼の鬼道が仏教であることが判る。間違いなく邪馬台国は日向に存在したのである。

●今回、お話する宝島と小宝島は、その吐噶喇列島の最南端の島である。十島村のHPに拠れば、宝島は、
  ・面積:7.14 km2   ・周囲:13.77 km   ・人口:138人
小宝島は、
  ・面積:1.00 km2   ・周囲:4.74 km    ・人口:63人
の島であるとする。

●宝島には標高292辰離ぅ泪ラ山が聳え、水田も存在し、砂漠まである。それに対し、小宝島はまるで小さい。周回道路を巡っても30分もすれば一周してしまう。塩害が酷く、なかなか植物も育たない。

◎こういうふうに見ると、誰もが宝島が中心であって、その属島が小宝島だと思ってしまう。しかし、本当は、小宝島の方が大事な島であって、宝島は小宝島を遥拝するための島であることが判る。

◎そのことは日本に居てはなかなか理解できない。「井の中の蛙」と言う言葉があるけれども、大海の彼方を見ない限り、それは理解されない。それは次のような話である。

◎宝島の西方、およそ600kmに、舟山群島が存在する。もちろん、其処は中国である。行政上は中国浙江省舟山市である。その舟山島の東隣に普陀山と言う島が存在する。日本のウィキペディアフリー百科事典が載せる普陀山は、以下の通り。
      普陀山
   普陀山(ふださん、拼音: Pǔtúo Shān)は中華人民共和国浙江省・舟山群島にある島。中国四大
  仏教名山(仏教の聖地。五台山、九華山、峨眉山、普陀山)の一つで、観音菩薩が祀られている。
  年間360万人を超える観光客が訪れる。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AE%E9%99%80%E5%B1%B1

◎中国の検索エンジン百度の百度百科が載せる普陀山は、次の通り。
      普陀山 (中国佛教四大名山之一)
   普陀山,与山西五台山、四川峨眉山、安徽九华山并称为中国佛教四大名山,是观世音菩萨教化众
  生的道场。普陀山是舟山群岛1390个岛屿中的一个小岛,形似苍龙卧海,面积近13平方公里,与舟山
  群岛的沈家门隔海相望,素有“海天佛国”、“南海圣境”之称,是首批国家重点风景名胜区。2007
  年(丁亥年)5月8日,舟山市普陀山风景名胜区,经国家旅游局正式批准,为国家5A级旅游风景区。
  “海上有仙山,山在虚无缥缈间”,普陀山以其神奇、神圣、神秘,成为驰誉中外的旅游胜地。普陀
  山是国务院首批公布的44个国家级重点风景名胜区之一,中国国家5A级旅游景区,全国文明山、卫生
  山,浙江省唯一的ISO14000国家示范区。
  https://baike.baidu.com/item/%E6%99%AE%E9%99%80%E5%B1%B1/6618?fr=aladdin

◎日本でも観音信仰は盛んである。ただ、日本には、中国のような信仰の聖山が無い。一応、ウィキペディアフリー百科事典が載せる観音菩薩を載せておく。
      観音菩薩
   観音菩薩(かんのん ぼさつ、サンスクリット語: अवलोकितेश्वर, Avalokiteśvara )は、仏教の菩
  薩の一尊。観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)または観自在菩薩(かんじざいぼさつ)ともいう。救
  世菩薩(くせぼさつ・ぐせぼさつ)など多数の別名がある。一般的には「観音さま」とも呼ばれる。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%B3%E9%9F%B3%E8%8F%A9%E8%96%A9

◎何も、難しいことを考える必要は無い。中国佛教四大名山の一つである普陀山を訪問すれば、一瞬にして、宝島と小宝島の関係が了解される。それは普陀山に於ける、普陀山と洛迦山との関係と宝島と小宝島の関係がまるで同じだからである。

◎中国浙江省舟山群島の島、普陀山の東方、5劼僕豌犹海和減澆垢襦M渉卦い悪くない限り、普陀山からは常時、洛迦山を見ることができる。本ブログでは、これまで5回、普陀山を訪問している。
  ・書庫「海天佛国:普陀山」:31個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1204492.html?m=l&p=1
  ・書庫「普陀山・洛迦山」:29個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1210153.html?m=l&p=1
  ・書庫「寧波三歩・洛迦山参詣」:34個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1221590.html?m=l&p=1
  ・書庫「観音信仰の島:普陀山」:14個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1228925.html?m=l
  ・書庫「日本仏教伝来の普陀山」:37個のブログ
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1241668.html?m=l&p=1

◎普陀山から望む洛迦山は、まるで観音菩薩の御姿をなさっている。そのことは上に掲げた写真をご覧いただくと一目瞭然だろう。これが中国佛教四大名山の一つである普陀山の観音信仰の原型であることは言うまでも無い。つまり、普陀山から洛迦山を遥拝することが普陀山の観音信仰であることを意味する。

◎全く同じ風景を日本で見ることができるのが、また驚きである。私の場合、2009年7月4日に、初めて宝島を訪れ、その光景を目にした。しかし、当時、まだ私にはそういう知識がまるで無かった。だから、その時、そういう感動的光景を目にしている実感は全く涌いて来なかった。
  ・書庫「吐火羅の旅」:ブログ『吐火羅列島を旅する』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/28336433.html

◎最初に、中国浙江省舟山群島の島、普陀山へ参詣したのは、2012年3月12日のことであった。朝早く寧波を出て、舟山島経由で普陀山を目指した。当時、一人で中国を旅することもままならず、寧波在住の通訳兼ガイドの李さんに連れられての普陀山参詣であった。

◎ちょうど昼頃に、普陀山の百歩沙と言う砂浜から洛迦山を遠望した時の感動が忘れられない。それ以前に、すでにインターネットで普陀山から望見する洛迦山の写真を見ていた。そのことを確認するために、わざわざ中国浙江省舟山群島の島、普陀山まで参詣にやって来たのである。それこそ、一見して、これが普陀山の観音信仰の原型であることを理解した。
  ・書庫「海天佛国:普陀山」:ブログ『百歩沙』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36375280.html
  ・書庫「海天佛国:普陀山」:ブログ『洛迦山と小宝島』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36383265.html

◎また、それが日本の吐噶喇列島の最南端の島、宝島から望む小宝島であることを理解した。これ以上の感動は無い。中国の普陀山と日本の宝島とで、およそ600kmの空間を離れて、まるで同じ風景を見ることができる。そんなことを発見した人は誰も居ないのであるから。

◎もちろん、それが日本仏教伝来路であることを意味することは言うまでもない。このように、現地の実風景が今でも、そのことを教えてくれる。こんな感動は無い。

◎日本への仏教伝来は、このようにしてなされた。それは間違いなく、諸菩薩摩訶薩の宗教であり、三寶である佛・法・僧を敬う宗教であった。中国の普陀山や日本の宝島を訪れると、現代でも、そういう風景を見ることができる。まさに「一見不如百聞」の風景なのである。

◎卑弥呼は何者か。言葉は要らない。卑弥呼の正体を教えてくれる風景が中国の普陀山や日本の宝島には存在する。何故なら、このルートの先に邪馬台国が存在し、卑弥呼の現住所が存在するのだから。念の為に。卑弥呼の現住所は、鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島である。

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