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朱淑貞:立春

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○立春に寄せて。羅隠の『京中正月七日立春』詩、張九齡の『立春日晨起對積雪』、韓愈の『春雪』詩、韋莊の『立春』詩、張軾の『立春偶成』詩と続けている。今回は朱淑貞の『立春』詩である。

○日本で、朱淑貞と言う詩人は、ほとんど馴染みが無い。ヤフーやグーグルで検索しても、出て来るのは中国のものばかりである。

○中国の検索エンジン百度の百度百科が案内する朱淑貞は、次の通り。
      朱淑贞
   朱淑真,号幽栖居士,钱塘(今浙江杭州)人,祖籍歙州(治今安徽歙县)。约生于1079——1080年,
  约死于1131——1133年。宋代著名女词人,是唐宋以来留存作品最丰盛的女作家之一。
   生于仕宦之家。幼警慧、善读书,但一生爱情郁郁不得志。丈夫是文法小吏,因志趣不合,夫妻不和
  睦,最终因抑郁早逝。又传淑真过世后,父母将其生前文稿付之一炬。其余生平不可考,素无定论。现
  存《断肠诗集》、《断肠词》传世,是劫后余篇。
  https://baike.baidu.com/item/朱淑贞/6298466?fr=aladdin

○朱淑貞の『立春』詩は、次の通り。
  【原文】
      立春
        朱淑貞
    停杯不飲待春來
    和氣先春動六街
    生菜乍挑宜卷餅
    羅幡旋剪稱聯釵
    休論殘臘千重恨
    管入新年百事諧
    從此對花並對景
    盡拘風月入詩懷

  【書き下し文】
      立春
        朱淑貞
    杯を停め飲まずに、春の來たるを待てば、
    氣の和み、春を先にして、六街に動く。
    生菜乍ち挑むに、卷餅に宜しく、
    羅幡旋剪、聯釵を稱す。
    論を休め臘を殘すは、千重の恨みにして、
    新年に管入するは、百事の諧なる。
    此れ從り花に對し、對景に並びて、
    盡く風月を拘りて、詩懷に入らん。

  【我が儘勝手な私訳】
    酒を飲むことを止めて、春の来るのを待ち焦がれていると、
    冬の冷気が和んで、春が来る気配が町中に満ち満ちている。
    生野菜を包んで、宜卷餅を作って春を祝い、
    羅幡幢や螺旋剪紙を飾り、髪飾りで春を祝す。
    言いたいことも言わず、干し肉を残すことが、一生の悔恨であるように、
    新しい年を迎えることは、人生の中で、毎年、この上ない喜びである。
    庭の春花を愛でるために、楼台に出て、
    春の風情の全てを享受して、詩の創作に励もうではないか。

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