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崔日用:奉和立春遊苑迎春應制

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○立春の詩を案内しているが、今回、案内するのは、崔日用の『奉和立春遊苑迎春應制』詩である。私たちは、李白や杜甫の詩を読むことはあるが、こういうふうな宮廷詩を目にすることは、ほとんど無い。中国の詩の多くが、こういうような宮廷詩であることにも、注目すべきではないか。何故なら、中国文化の本質がそこに存在することは、紛れも無い事実なのだから。
  【原文】
      奉和立春遊苑迎春應制
          崔日用
    乘時迎氣正璇衡
    灞滻煙氛向晚清
    剪綺裁紅妙春色
    宮梅殿柳識天情
    瑤筐彩燕先呈端
    金縷晨雞未學鳴
    聖澤陽和宜宴樂
    年年捧日向東城

  【書き下し文】
      立春に、苑に遊び、春を迎ふるに、應制に奉和す
          崔日用
    時に乗り、氣を迎え、正に璇衡なり、
    灞滻の煙氛は、晚清に向かふ。
    綺を剪り、紅を裁てば、春色の妙なる、
    宮梅や殿柳は、天情を識る。
    瑤筐の彩燕、先づ端に呈するも、
    金縷の晨雞、未だ鳴くを學ばず。
    聖澤の陽和は、宜しく宴樂すべく、
    年年、捧日して、東城に向かふ。

  【我が儘勝手な私訳】
      立春に、外苑へ遊び、春を祝うに当り、勅命に従って作った詩
          崔日用
    立春になって、春の陽気となって、正しく間違いの無い季節の訪れである、
    長安の東、灞水や滻水の気象は、清らかな夕暮れ時へと向かっている。
    美しい絹布を裁ち、紅紙を切って、彩花を作って春を飾れば、
    宮廷の庭の梅は花咲き、御殿前の柳樹も芽吹き、春の訪れを実感する。
    春の訪れを祝う彩燕を、頭上に飾った女性が舞い踊り、
    金色の立派な雄鶏が飾ってはあるが、未だ鳴く気配は無い。
    天帝の恩沢である春の陽気の中、当然、宴会を開いて楽しむべく、
    毎年、皇帝に付き従い、長安城の東郊外の苑へ外遊することである。

○崔日用も、日本ではほとんど馴染みの無い詩人である。中国の検索エンジン百度の百度百科が案内する崔日用は、次の通り。
      崔日用
   崔日用(673年-722年),唐朝人,滑州灵昌(今河南滑县)人,唐朝宰相。
   崔日用是进士出身,因得到宰相宗楚客举荐被任命为新丰县尉,崔日用遂成为宗楚客的亲信,在太子
  李显复位为唐中宗后被骤然擢升为兵部侍郎,中宗李显暴崩后,遂投靠临淄王李隆基一党,并在相王李
  旦即位为睿宗后升任宰相。入相月余便因与中书侍郎薛稷不和被免去宰相职务,外放为雍州长史。
   睿宗李旦禅让之后,即位的玄宗李隆基欲除掉势大的太平公主一党,遂召崔日用商议。崔日用便为玄
  宗制定了完整的政变计划,太平公主一党倒台后因功入朝任吏部尚书,之后又因事被外放为常州刺史。
  开元十年卒于并州大都督府长史任上,时年五十岁。
  https://baike.baidu.com/item/崔日用/6124713?fr=aladdin

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