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高適:銅雀妓

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○中国の検索エンジン百度の『百度百科』の高適詩に拠れば、高適の詩は、次の四つに分類されると言う。
      文学成就
  【作品内容】
   高适诗题材广泛,内容丰富,现实性较强。主要有以下几类:
  边塞诗  反映民生疾苦的诗  讽时伤乱诗  ひ怀诗

○これまで訳してきた高適の『田家春望』詩や『詠史』詩は、「ひ怀诗」に分類されるのであろう。今回の高適の『銅雀妓』詩も、そういうものの一つである。

  【原文】
      銅雀妓
       高適
    日暮銅雀迥
    秋深玉座清
    蕭森松柏望
    委郁綺羅情
    君恩不再得
    妾舞為誰輕

  【書き下し文】
      銅雀妓
       高適
    日の暮れ、銅雀は迥か、
    秋は深く、玉座は清し。
    森は蕭として、松柏を望み、
    郁は委しく、綺羅の情。
    君の恩は、再び得ずして、
    妾の舞は、誰が為にか輕し。

  【我が儘勝手な私訳】
    日が暮れる頃、遠くの銅雀台を目指して歩いて行くと、
    秋も深くなったので、銅雀台の玉座には露が降りている。
    銅雀台の周りの森はひっそりとして、松樹や柏樹が生い茂り、
    詩文が、嘗ての銅雀台の栄光の様を詳細に伝えるのみである。
    曹操の恩情が、この世に再び甦ることはあり得ないけれども、
    昔を懐かしんで、銅雀台で妓女が舞う様は、何とも軽やかで美しいことである。

○高適(?~765)は、八世紀の人物である。それに対して曹操(155~220)は三世紀の人物である。二人の間には、およそ五百年の時代差が存在する。それは、ちょうど、私たちが信長や秀吉、家康に憧れるようなものではないか。

○日本では、曹操と言えば、悪役だろう。しかし、意外に、中国では、曹操人気が凄い。それは曹操の故郷である亳州市や曹操の造営した都、鄴城を訪れると、よく判る。もっとも、私は邯鄲市までは行ったが、鄴城は訪れていない。

○銅雀台が存在するのは、その鄴城である。中国の検索エンジン百度の『百度百科』には、次のように、載せる。
      铜雀台 (河北省临漳铜雀台遗址)
   铜雀台位于河北省邯郸市临漳县城西南18公里处,是全国重点文物保护单位。这里古称邺,古邺城始
  建于春秋齐桓公时,三国时期,曹操击败袁绍后营建邺都,修建了铜雀、金凤、冰井三台,即史书中之
  “邺三台”,是建安文学的发祥地,台高10丈,有屋百余间,因历代名人题咏甚多而名。
   临漳古称邺,西晋为避愍帝司马邺讳,将邺城易名“临漳”,因北临漳河而得名。三国两晋南北朝时
  期,邺城作为曹魏、后赵、冉魏、前燕、东魏、北齐六朝都城,居中国北方政治、经济、文化、军事中
  心长达四个世纪之久,创造了辉煌灿烂的历史文化,使临漳享有“三国故地、六朝古都”之美誉。
  https://baike.baidu.com/item/铜雀台/22228

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