○陳子昂の『薊丘覽古贈盧居士藏用七首(並序)』から、『陳子昂:薊丘覽古贈盧居士藏用七首(並序)』として、最初に『軒轅台』詩を訳し、続けて、『薊丘覽古・燕昭王』詩、『薊丘覽古・樂生』詩、『薊丘覽古・燕太子』詩と訳してきた。
○したがって、今回案内するのは、陳子昂の『薊丘覽古・田光先生』詩である。
【原文】
薊丘覽古・田光先生
陳子昂
自古皆有死
狥義良獨稀
奈何燕太子
尚使田生疑
伏劒誠已矣
感我涕沾衣
【書き下し文】
薊丘覽古・田光先生
陳子昂
古へより皆死有り、
義に狥ふは良や獨だ稀なり。
奈何せん、燕の太子は、
尚ほ田生をして疑はしむ。
劒に伏して誠は已んぬるかな、
我を感じさせて涕は衣を沾らす。
【我が儘勝手な私訳】
昔から人は皆死ぬと決まっている、
それでも義に殉死する者はほとんど滅多に居ない。
どうしたことであろうか、燕の太子丹は、
何と義士、田光先生を疑わせることをするとは。
結果、田光先生は剣に死に、その誠を貫いた。
その悲惨な結末に、私は感じ、涙を流さずには居られない。