Quantcast
Channel: 古代文化研究所
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

朝の散歩:三江口

$
0
0



○これまで四回、寧波を訪れている。朝は早く起きて散歩するのが日課となっている。今回寧波には二泊するけれども、明日の朝早くに寧波を発つので、寧波での朝の散歩が出来るのは今日、2013年10月15日だけである。

○今朝の散歩は三江口を目指すこととした。台風23号が寧波を襲ったのは10月7日未明のことだったらしい。私が寧波を訪れたのは、ちょうどその一週間後であった。地勢からして、寧波の町で最も標高の低いところが三江口である。だから、三江口へ行けば、寧波の水害の様子も判るのではないかと思った。

○三江口は、寧波の海の玄関口でもある。三江口には、天后宮・慶安会館が存在するし、道元禅師入宋記念碑が建っている。天后宮は航海・漁業の守護神、媽祖を祀るところである。中国の港町なら、大概、天后宮が存在する。

○だから、寧波を訪れたら、三江口を訪れる。嘗て、中国を訪れた日本人は、ここで初めて中国の地を踏み、中国各地へ散っていったわけである。詳しくは、以下を参照されたい。
  ・書庫「寧波漫歩」:ブログ『天后宮:慶安会館』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36663827.html
  ・書庫「寧波漫歩」:ブログ『媽祖を祀る天后宮』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36667682.html
  ・書庫「寧波漫歩」:ブログ『寧波・三江口』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36677828.html
  ・書庫「寧波再歩」:ブログ『天后妈祖』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36999563.html
  ・書庫「寧波再歩」:ブログ『道元禅師入宋記念碑』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/37083997.html

●10月15日の朝も5時には起床し、明るくなるのを待って、朝の散歩に繰り出した。少し雲があるけれども、上天気である。天一広場を抜けて、中山東路を100辰盥圓と、江厦街との交差点に出る。その先が江厦橋で、もう三江口である。

●江厦橋のたもとに、道元禅師入宋記念碑が存在する。この時は、工事をしていて、道元禅師入宋記念碑付近は立ち入り禁止になっていた。それで、交差点を左折し、江厦街を北上する。すぐに新江橋に出る。

●寧波では、新江橋から眺める日の出が絶景である。これまで二回、新江橋から日の出を見ている。ところが新江橋辺りも工事中で、高い塀が廻らされていて、まるで眺望できない。

●仕方が無いから、新江橋を渡った先から日の出を見ることにする。新江橋の先に天主堂がある。その天主堂の裏手に回る。外灘会館と言う真新しい建物があって、周囲はきれいに公園化されている。目の前が
三江口である。

●この辺りは、全面白く泥の跡が残っていた。台風23号の際に水面下であった時の名残らしい。朝が早いから、外灘会館はもちろん閉館していたが、外から眺めた様子では、外灘会館は完全に水没し、まだ、その復旧が完全にはなされていないようだった。

●この辺りでは、人の背丈ほどの頑丈な河岸堤防が築かれている。台風の際、この堤防を水は越えたことになる。凄まじい水量であったことが判る。それに三江口は、奉化江と余姚江が合流し、甬江となって下流へ流れて行くところである。奉化江も余姚江も、大河である。甬江の川幅では、増水したらとても流し切れないのではないか。

●寧波外灘あたりの様子については、以前書いているから、そちらを参照されたい。
  ・書庫「寧波漫歩」:ブログ『老外灘街』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36678935.html
  ・書庫「寧波漫歩」:ブログ『外灘』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36681519.html

◎寧波外灘の日の出は6時20分ころであった。対岸の天后宮・慶安会館あたりの上に陽が昇る。あいにく雲が多いので、きれいな日の出ではなかった。

◎甬江の外灘の堤防には、数人の釣り人が来ていた。どんな仕掛けで釣りしているのだろうと眺めていた。どうやら引っ掛け釣りで、大きな鉤針を川底に沈めて、それを引いて引っ掛ける仕掛けのようだった。相当鉤針が大きいから、大物が上がるのではないか。見ている最中には一匹も掛からなかった。

◎慧萼も道元も桂庵玄樹も策彦周良も、ここ三江口から中国に上陸した。中国を目指した多くの日本人が最初に見た中国の風景が寧波の三江口であったに違いない。時間が許せばそういう人々の足跡を追い掛けてみたいと思う。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

Trending Articles