○前回、劉禹錫『金陵五題』から、「石頭城」詩を案内したが、今回は、同じ『金陵五題』から「烏衣巷」詩を紹介したい。それほど、劉禹錫『金陵五題』は、南京の風景をよく伝えている。
○烏衣巷は、南京夫子廟前の秦淮河南岸に位置する。南京夫子廟は秦淮河北岸に存在するから、ちょうど、南京夫子廟の照壁の奥が烏衣巷だと考えたが良い。現在でも烏衣巷地名は残存していて、秦淮河南岸に沿う琵琶巷と、白鷺洲公園に沿う平江府路との間の、およそ４００辰曚匹力地が現在の烏衣巷である。
○中国の検索エンジン百度『百度百科』が案内する「烏衣巷」は、次の通り。
乌衣巷（南京秦淮河南岸古巷）
乌衣巷在南京秦淮河南岸，是中国最古老而著名的巷名，三国时是吴国戍守石头城的部队营房所在地。
当时军士都穿着色制服，故以“乌衣”为巷名。
后为东晋时高门士族的聚居区，东晋开国元勋王导和指挥淝水之战的谢安都住在这里。
1997年，秦淮区人民政府恢复了乌衣巷，并重建了具有民族风格的王谢古居。
【历史】
乌衣巷位于夫子庙南，三国时是吴国戍守石头城的部队营房所在地。当时军士都穿着色制服，故 以
“乌衣”为巷名。东晋初，大臣王导住在这里，后来便成为王、谢等豪门大族的住宅区。到了中唐，诗
人刘禹锡以有“旧时王谢堂前燕，飞入寻常百姓家”的感叹，足见王谢旧居早已荡然无存。南宋时期，
建康城曾一度得到恢复和发展，“商品繁盛，民殷物阜”。人们又在倾圮的王、谢故居上重建“来燕堂”。
其址在乌衣巷东，建筑古朴典雅，堂内悬挂王导、谢安画像。士子游人不断，成为瞻仰东晋名相、抒发
思古幽情的胜地。只是小街两侧的铺面房都开成了民间工艺品店，中外游人在此可以观赏和购买到各类
工艺品。1997年，秦淮区人民政府恢复了乌衣巷并重建了具有民族风格的王谢故居。
http://baike.baidu.com/subview/131760/7854735.htm
○劉禹錫「烏衣巷」詩は、次の通り。
【原文】
烏衣巷
劉禹錫
朱雀橋邊野草花
烏衣巷口夕陽斜
舊時王謝堂前燕
飛入尋常百姓家
【書き下し文】
烏衣巷
劉禹錫
朱雀橋の邊に、野草の花さき、
烏衣巷の口に、夕陽斜めなり。
舊時の王謝、堂前の燕の、
飛びて入る、尋常百姓の家。
【我が儘勝手な私訳】
古都金陵の正門、朱雀門橋のあたりに、今では野草の草花が咲き乱れ、
古都金陵の主港であった烏衣巷の港口に、夕陽が眩しく照っている。
南朝時代、旺盛を極めた王導や謝安の屋敷門に巣くっていた燕たちが、
今現在、ごくごく普通の人々の民家屋に巣くって、盛んに飛び交っている。
○前回案内した石頭城と烏衣巷は秦淮河で繋がっている。秦淮河が長江に合流する地点に石頭城が存在し、そのおよそ５匸緡に烏衣巷は存在する。南京市街の西岸が石頭城、南岸が烏衣巷だと思えば良い。
○その辺りの事情を、劉禹錫「烏衣巷」詩はよく伝えている。劉禹錫が「烏衣巷」詩で、『朱雀橋邊』と詠うのは、烏衣巷が南京市街の南部に位置することを示す表現であり、『烏衣巷口』と表現するのは、秦淮河が東西に流れ、その秦淮河に夕陽が照り映えていることを意味する。
○劉禹錫が「烏衣巷」詩で、『王謝』を登場させるにも、当然、意味がある。王導（276年－339年）と謝安（320年－385年）と言えば、晋代の代表的有名人であることを誰もが知っている。
○また、劉禹錫は「烏衣巷」詩で、春を詠うことも忘れない。燕は、中国で春の使者なのである。柳に燕が中国の春の定番となっている。
○劉禹錫が「烏衣巷」詩で詠うのは、春爛漫の南京の夕暮れ時の情景である。それにまた「烏衣巷」の文言が何ともマッチしている。日本ならさぞかし、「黒装束の町」と言うところだろう。
●なお、『百度百科』には劉禹錫「烏衣巷」詩の項目を載せており、なかなか参考になる。
乌衣巷（唐代刘禹锡七言绝句）
《乌衣巷》是唐代诗人刘禹锡的代表作之一。这是一首抚今吊古的诗篇是怀古组诗《金陵五题》中的
第二首。此诗凭吊昔日东晋南京秦淮河上朱雀桥和南岸的乌衣巷的繁华鼎盛，而今野草丛生，荒凉残照，
感慨沧海桑田，人生多变。作者选取燕子寄居的主人家已经不是旧时的主人这一平常现象，使人们认识
到富贵荣华难以常保，那些曾经煊赫一时的达官贵族，如过眼烟云，成为历史的陈迹。诗中没有一句议
论，而是通过野草、夕阳的描写，以燕子作为盛衰兴亡的见证，巧妙地把历史和现实联系起来，引导人
们去思考时代的发展和社会的变化，含着深刻的寓意。全诗语虽极浅，味却无限。
http://baike.baidu.com/subview/131760/7854736.htm