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卑弥呼が大山祇であること

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○文部省唱歌「ふじの山」では、
  あたまを雲の 上に出し
  四方の山を 見おろして
  かみなりさまを 下に聞く
  富士は日本一の山
と、「富士は日本一の山」と詠うけれども、その富士山に祀られている神をご存じだろうか。

○富士山を真北から真南に遙拝するところに鎮座ましますのは、山梨県笛吹市一宮町一ノ宮に鎮座まします甲斐国一宮、浅間(あさま)神社である。御祭神は木花開耶姫命。HPもある。
  甲斐国一宮浅間神社
  http://asamajinja.jp/history.html 

○富士山8合目から上は、駿河国一之宮、富士山本宮浅間(せんげん)大社の奥宮境内地となっている。里宮は静岡県富士宮市宮町に鎮座まします。御祭神は木花之佐久夜毘売命。HPは、次の通り。
  駿河国一之宮、富士山本宮浅間大社
  http://fuji-hongu.or.jp/sengen/

○富士山は、2013年(平成25年)6月22日に、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として、世界文化遺産に登録されたことで、現在、一躍脚光を浴びている。

○寡聞にして、甲斐国や駿河国に、木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)が出現した話を聞かない。出現したことも無い神を浅間神社や浅間大社が、どうしてお祀りしているのだろうか。それは、勧請された神であることが判る。

●それでは、木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)とはどんな神なのであろうか。ウィキペディアフリー百科事典が載せるコノハナノサクヤビメは、次の通り。

      コノハナノサクヤビメ
   コノハナノサクヤビメ(ヒメ)は、日本神話に登場する女神。一般的には木花咲耶姫と記される。
  また『古事記』では木花之佐久夜毘売、『日本書紀』では木花開耶姫と表記する。コノハナサクヤビ
  メ、コノハナサクヤヒメ、または単にサクヤビメと呼ばれることもある。『古事記』では神阿多都比
  売(カムアタツヒメ)、『日本書紀』では鹿葦津姫または葦津姫(カヤツヒメ)が本名で、コノハナ
  ノサクヤビメは別名としている。
   天照大神(アマテラス)の孫であるニニギノミコト(瓊瓊杵尊、邇邇芸命)の妻。オオヤマツミ
  (大山積神、大山津見神、大山祇神)の娘で、姉にイワナガヒメ(石長比売、磐長姫)がいる。ニニ
  ギ(瓊瓊杵尊、邇邇芸命)の妻として、ホデリ(海幸彦)・ホスセリ・ホオリ(山幸彦)を生んだ。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%83%8F%E3%83%8A%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A4%E3%83%92%E3%83%A1

●別に、木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)は山の神であるわけではない。ただ、父神が大山祇神だから、甲斐国一宮浅間神社や駿河国一之宮、富士山本宮浅間大社では、木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)をご祭神としたものと思われる。

●木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)が有名なのは、何と言っても、天孫降臨の神、彦火瓊瓊杵尊の妻となったことに拠る。だから、木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)の故地は、日向国だとするしかない。

●日向国と言っても、甚だ広い。おおよそ、現在の鹿児島県宮崎県全体を指す名である。もう少し、地域限定する必要がある。その契機となるのは、やはり、父神である大山祇神の故地を追い求めることだろう。

○面白いことに、大山祇神を斎き祀る神社で知られるのは、伊予国一宮大山祇神社であり、伊豆国一宮三嶋大社だとされる。大山祇神だって、伊予国や伊豆国に出現したことは一度も無い。これも他所から勧請された神である。

○大山祇神の故郷は、鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島である。誰もそんな話をしないけれども、大山祇神を辿ると、硫黄島に達する。詳しくは、以下を参照されたい。
  ・書庫「硫黄島」:ブログ『三島神』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/33799344.html

○伊予国一宮大山祇神社は大三島に鎮座ましますし、伊豆国一宮三嶋大社はその御名に三嶋の名を冠している。もともと、大山祇神が居住していたのは、三島であることは、それからも明らかとなる。

○もちろん、大山祇は山の神である。山の神の好物は、古来、オコゼと決まっている。ふんだんにオコゼが捕れるところで無いと、話の辻褄が合わない。

○だから、天孫降臨の神、彦火瓊瓊杵尊が木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)を見初めたのは、薩摩国と言うしかない。つまり、大山祇や木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)の故郷が薩摩国になる。

◎なかなか、日本神話は面白い。丁寧に追い求めると、このようなことが判る。

◎これまで見てきたように、「魏志倭人伝」に拠れば、三世紀の倭国は、次のように案内される。
  【渡海三国】
    ・狗邪韓国・対馬国・壱岐国
  【北九州四国】
    ・末廬国・伊都国・奴国・不弥国
  【中九州二十国】
    ・斯馬国・巳百支国・伊邪国・都支国・邇奴国・好古都国・不呼国
    ・姐奴国・対蘇国・蘇奴国・呼邑国・華奴蘇奴国・鬼国・為吾国・
    ・鬼奴国・邪馬国・躬臣国・巴利国・支惟国・烏奴国・(奴国)
  【南九州三国】
    ・投馬国・邪馬台国・狗奴国

◎邪馬台国は何処か。それは邪馬台国三山である霧島山・桜島山・開聞岳の存在するところと言うしかない。そして、「古事記」や「日本書紀」が案内する日向神話は、その邪馬台国の状況を物語っていると考えざるを得ない。

◎それなら、卑弥呼は誰か。卑弥呼が大山祇であることは自明のことである。前回、出雲神を斎き祀るところは、卑弥呼を祀るところでもある話をした。同じように、大山祇や木花開耶姫命(木花之佐久夜毘売命)を斎き祀るところも、本当は、卑弥呼を斎き祀っているところである。つまり、卑弥呼は、現在でも、日本中で斎き祀られていることが判る。

◎その卑弥呼が信奉したのが、仏教であったことが驚きである。神仏混淆は、既に大山祇の時代に始まっている。そういうものを分離することは、誰にも出来ない。それが日本の伝統文化なのであるから。

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