○鎮江の金山寺に参詣したのは、2014年6月22日のことであった。旧暦なら5月25日である。山門をくぐると、すぐ左手に一面が蓮葉に覆い尽くされた堀が見えた。その一面の蓮葉の中に、鮮やかな紅い蓮花が咲いている。それが何とも美しい光景であるのに驚いた。
○多分、楊万里が「曉出淨慈寺送林子方」詩で絶賛する西湖は、このような光景ではないかと想像した。
曉出淨慈寺送林子方
楊万里
畢竟西湖六月中 畢竟、西湖は六月中なり。
風光不與四時同 風光は四時と同じからず。
接天蓮葉無窮碧 天に接して、蓮葉は碧に窮まる無く、
映日荷花別樣紅 日に映じて、荷花は別樣、紅なり。
詳しくは、以下を参照されたい。
・書庫「白居易の愛した佛都・杭州」:ブログ『曉出淨慈寺送林子方』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/37273098.html
○杭州の西湖を、2011年10月、2012年11月、2013年3月と、これまで3回訪れているが、まだ6月の西湖を見ていない。どんなに西湖が美しいかは、楊万里が詠うように、6月でないと判らないのかも知れない。
○それは、日本の屋久島にしたところで同じである。屋久島の山中に花之江河と言うところがある。標高1650辰曚匹砲△觴掌兇任△襦I畸覆篭砲瓩憧彑鼎兵掌兇世、年に一回だけ、この湿原は華やぐ。それが5月末から6月始めにかけての期間である。
○それはシャクナゲの花の季節である。この季節に屋久島の花之江河を訪れた人だけが、花之江河の名がシャクナゲの花に由来することを実感することが出来る。おそらく、それは一年のうち、せいぜい2、3週間くらいに過ぎない。
○その時の写真を以下のブログに載せているので参照されたい。
・書庫「狗奴国・救仁国の風景」:ブログ『木花開耶姫が椿姫であること』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36301233.html
○鎮江金山寺の蓮花は、まだ盛りの始めで、これから更にその美しさを増すものと思われた。それでも、十分、目を驚かすに値する光景であった。
○今回の旅行では、各所で蓮花を目にすることがあった。南昌の膝王閣では蓮子の実を売っていた。味見だけしたが、私には好物である味がした。ただ、値段があまりに高かったので、買わなかった。普通には、もっと安いのではないかと思ったからである。
○揚州の瘦西湖でも、蓮花を見たが、私が見たところの蓮花は、鎮江金山寺の蓮花ほどでは無かった。また、揚州个園の入り口にあった蓮花も見事なものであった。ただ、ここのは、鉢植えの蓮花であった。
・書庫「痩西湖・个園」:ブログ『畢竟瘦西湖六月中』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/39140504.html
○今回、鎮江金山寺の蓮花を見ただけで、十分満足であった。まだ金山寺にお参りもしていないのに。それほど、金山寺の蓮花は見事であった。