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「万葉集」が描く邪馬台国三山

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○「万葉集」の成立は、759年以降とされる。それは、「万葉集」最後の和歌が天平宝字三年(759年)となっていることに基づくものである。
  三年春正月一日に、因幡国に庁して、
  饗を国郡の司等に賜ふ宴の歌一首
    新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事
  右の一首、守大伴宿禰家持作る。

○その「万葉集」に、邪馬台国の風景を載せていると言ったら、誰もが驚くに違いない。正確には、「万葉集」が載せているのは、大和三山の風景である。

○私見によれば、「万葉集」には香具山が十四回、畝傍山が六回、耳成山が三回記録されている。その全記録については、既に、以下のブログで案内済みである。
  ・書庫「大和三山」:ブログ『万葉集が記録する大和三山』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/35107837.html

○その「万葉集」が載せる大和三山について、多くの万葉学者先生が言及なさっている諸本を読むと、「万葉集」が載せる大和三山には多くの謎が存在することが判る。ここでその詳細を説明することも出来ないので、結論だけ述べると、大和国に存在する大和三山では説明し得ないことが「万葉集」が載せる大和三山には存在するのである。

○それを万葉学者先生が、何とも珍妙な学説を以て説明なさろうとするのを読むと、つい、笑ってしまう。そんな論は子供でも納得しない。微笑ましいと言うか、こじつけと言った方が相応しい論ばかりである。

○「万葉集」が記録している大和三山を、大和国の大和三山で説明することは、誰にも出来ない。それは、大和地名を大和国で説明できないのと同じである。もともと、大和地名も大和三山も、大和国のものでは無い。他所から勧請されて来たものである。

○つまり、「万葉集」が記録している大和三山の歌には、もともとの大和三山を歌った風景が混ざって存在する。それは大和国の大和三山では、決して説明されない。そういうことが万葉学者先生には理解されていない。

○だから、万葉学者先生はどうにかして「万葉集」が記録している大和三山和歌を、大和国の大和三山で説明しようと、悪戦苦闘なさって止まない。そんなことは最初から無理であって、見当違いなことだと全く気付くこともなく、堂々と発言なさっている。

○それがどういう書物であるかを紹介すると、
   據嵋媾弦峙繊彁嚇長雄:昭和三年初版:宝文館出版】
  ◆據嵋媾舷群髻徂霤塚患函Ь赦存淒初版:山海堂出版部】
  【「万葉集全釈」鴻巣盛廣:昭和十年初版:廣文堂書店】
  ぁ據嵋媾乎躰瓠彗瀉久孝:昭和三十二年初版:中央公論社】
  ァ據嵋媾源簔蹇彭擴以弧澄Ь赦存渊衆貲初版:筑摩書房】
  Α據嵋媾護拊蹇廾貌G遏О豢絛絽淒(平成七年)初版:集英社】
のような諸本である。万葉学をかじったことのある者であれば、これらの諸本が万葉学の基本図書であることを理解している。皆万葉学の大家であり、大先生である。その全てが大和三山について、そういう論を展開している。

○それは現代の万葉学に於いても同様のことが言える。誰もが大和三山が大和国に存在すると信じて止まない。もちろん、大和国には大和三山が確かに存在する。しかし、「万葉集」が記録している大和三山和歌の中には、古い時代の大和三山を詠ったものが存在していることにまるで気付かない。

○「万葉集」を研究し、「万葉集」を読むと言うことが、古代の日本を理解することに繋がることだと思って研究し、読まないから、こういう間違いが生じる。大和国に存在する大和三山は、本当は、真実の大和三山では無い。あれはレプリカに過ぎない。真面目に「万葉集」を読むと、そういうことが判る。

○つまり、大和三山には、本物とレプリカと二つが存在する。これでは、紛らわしいので、レプリカを大和三山と呼び、本物を邪馬台国三山と私は呼んでいる。

○なかなか「万葉集」を読むと楽しい。現存する、日本で最も古い和歌集であるから、最も古い日本の風景を描いているのが「万葉集」である。そこには、大和朝廷以前の風景も存在する。それが「万葉集」が描く邪馬台国三山である。

○陳寿の「三国志」を真面目に読むと、邪馬台国は南九州に存在したとするしかない。その南九州の邪馬台国を代表する風景が邪馬台国三山なのである。それは現在でも、実に堂々とした、昔と同じ風景を見せている。邪馬台国が何処か。知りたかったら、南九州を訪れてみると良い。そこには昔と同じ姿の邪馬台国三山が聳えているのを見る。

○大和地名も、実はここから生まれている。邪馬台国三山は、そういう山である。大和地名については、後日書くことになろう。

○もちろん、邪馬台国三山とは、
  ・霧島山(1700叩
  ・桜島山(1117叩
  ・開聞岳(924叩
を指す。

○大和三山を見たこともないし、登ったことも無い方に、こういう話をしたところで、信じてはもらえないだろう。まして、邪馬台国三山を見、登ったことも無い方には、尚更のことである。

○要するに、誰もそういう世界が存在することを知らないで、「三国志」を読み、「万葉集」を読んでいるに過ぎない。ちなみに、「三国志」は中国で読むに限るし、「万葉集」は大和国で読むしかない。最低でも、そういう努力は惜しんではならない。

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