Quantcast
Channel: 古代文化研究所
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

初節句

$
0
0


○三月三日は、五節句の一つ、上巳である。別名、ひな祭り、桃の節句。ひな祭りと言えば、「ひなまつりの歌」だろうと思っていたが、正確には「うれしいひなまつり」(サトウハチロー作詞)と言うらしい。

    うれしいひなまつり
  あかりをつけましょ ぼんぼりに
  お花をあげましょ 桃の花
  五人ばやしの 笛太鼓
  今日はたのしい ひな祭り

○昨年七月に生まれた甥の次女が初節句と言うので、お呼ばれして節句祝いに出掛けた。甥の次女は七ヶ月で、小さい前歯が二本生え出している。抱いても人見知りして泣く。もちろん、ご本人は自分が主賓であることをさっぱりご存じ無い。代わりに三月で四歳になる長女が自分のお祝いだとばかりにはしゃいでいる。

○皆で料理を持ち寄り、甥の次女の初節句を祝った。リビングには雛飾りが飾ってあった。長女が人形で遊んでいるらしく、雛壇はあちこち乱れていた。肝心の次女はまだ人形遊びも覚束ないふうで、何でも口に入れてしまうので、危なくて雛壇に近付けることも出来ない。

○皆で人形飾りの前で記念写真を撮影した。写真を見て、将来、自分の行事を思い出すことになるのではないか。こういうお祝いのお呼ばれは何とも嬉しい。

○伊勢暦を繰ると、三月三日は旧暦一月十三日で、まだ正月である。旧暦三月三日は、今年は四月二十一日らしい。今頃、桃の花が咲いているわけでも無いのに、家人は桃の花をお店で見付けて買って来ていた。

○もともと春の盛期の行事が上巳の行事なのであろう。永和9年(353年)3月3日に、王羲之は会稽郊外の別荘蘭亭に客人を招き、曲水の宴を催し、「蘭亭集序」をものしている。
  ・書庫「舜禹之都:紹興・上虞」:ブログ『蘭亭序』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/37337420.html
  ・書庫「舜禹之都:紹興・上虞」:ブログ『王羲之:蘭亭序』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/37340124.html

○曲水の宴を催したわけでもなく、「蘭亭集序」をものしたわけでもないが、次女の初節句は、まるで長女の独壇場であった。王羲之が愛した鵞鳥以上に長女のおしゃべりは止まない。来年辺りは、次女がきっと活躍するに違いない。それを楽しみにしたい。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1914

Trending Articles