○清明節寒食節文学として、皮日休の「洛中寒食二首」詩を案内して来た。「洛中寒食二首(其一)」詩「洛中寒食二首(其二)」詩ともに思想性の高い詩で、読んで楽しい詩である。
○その皮日休に「汴河懷古二首」詩が存在することも見逃してはならない。皮日休の「汴河懷古二首」詩は、直接、清明節寒食節文学に関係するわけではないけれども、気になるので、ここで併せて紹介しておきたい。
【原文】
汴河懷古二首:其一
皮日休
万艘龍舸絲間
載到揚州盡不還
應是天教開汴水
一千餘里地無山
【書き下し文】
汴河懐古二首:其一
皮日休
万艘竜舸、緑絲の間、
載せて揚州に到るも、尽く還らず。
応に是れ天の汴水を開けしむべし、
一千余里の地に山無し。
【我が儘勝手な私訳】
多くの豪華な艤装船が、緑の柳の枝が垂れ下がった中、
万物を載せて揚州へと大運河を下って行ったが、一艘も帰って来ない。
当然、隋の煬帝こそが大運河を開鑿したとすべきである、
この開封の地から揚州まで一千余里、山一つ無い。
【原文】
汴河懐古二首:其二
皮日休
盡道隋亡為此河
至今千里通波
若無水殿龍舟事
共禹論功不較多
【書き下し文】
汴河懐古二首:其二
皮日休
道の尽き隋の亡ぶは、此の河の為なり、
今に至るまで千里、通波に頼る。
殿に水無きが若し、竜舟の事、
禹と共に功を論ずるも、較ぜざること多し。
【我が儘勝手な私訳】
運命なのか隋王朝が滅んだのは、大運河のせいだと人は言うけれども、
昔から今に至るまで、大運河が便りになる水路であることは間違いない。
とても運河に浮かんだ船だとは思えない大きく豪華な龍船だったが、
隋の煬帝の功績は古代の聖王禹の功績とは、とても比較にならない。
●実は、皮日休の「汴河懷古二首」詩は、以前に訳したことがある。2013年10月17日に揚州を訪問した後、揚州文学が気になって、次の詩を訳した。
-褸檗岷喨歉祺蓮廖 ´∩附函崔林堂」 2ね梟嵎浸各押
ょ×貭襦崕婢床峽醋襦廖 ´ツゼ禝崕婢床峽醋襦廖 ´ε遼辧嵳判三首」
杜牧「遣懷」 杜牧「寄揚州韓綽判官」 杜牧「贈別」
杜牧「贈別其二」 杜牧「嘆花」 杜牧「題揚州禅智寺」
杜牧「張好好詩」
これらの詩については、以下を参照されたい。
・書庫「鑑真和上の揚州」:30個のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1241671.html?m=l&p=1
●2014年6月21日にも、揚州を再訪し、多くの揚州文学を訳した。それは偶々、「揚州文選」(馬家鼎著)と「揚州詩咏」(李保華著)を揚州で購入し、それを日本に帰ってから訳したものである。無名氏「長干曲」から崔致遠「智異山花開洞」まで95首も訳している。詩人名と題名を掲げるのも煩雑になるので略すしかない。詳しくは、以下を参照されたい。
・書庫「痩西湖・个園」:107個のブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/folder/1255211.html?m=l&p=1
●この中で、皮日休の「汴河懷古二首」詩はすでに訳している。
・書庫「痩西湖・个園」:ブログ『皮日休:汴河懷古二首』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/39249980.html
●ただ、上記の訳は、あくまで揚州から見た皮日休の「汴河懷古二首」詩の訳であるに過ぎない。今回訳した皮日休の「汴河懷古二首」詩訳は、開封から見たものとなっている。同じ詩でも視点が変わるとこのように変化する。富士山を静岡から見るのと山梨から見るのとでは全然違うようなものか。少なくとも私は、両方の訳が成り立つと我が儘勝手に思っている。
◎偶々、2015年8月に開封市を訪問した。開封市は黄河の畔に存在する町である。大運河と黄河が接するところが開封市である。ここから大運河は揚州まで続いている。揚州で大運河は長江と合流する。
◎杭州でも京杭運河を見たことがある。一回は運河と銭塘江との合流点に立った。ここが京杭運河の終点である。2012年11月7日のことであった。
・書庫「白居易の愛した佛都・杭州」:ブログ『京杭大運河』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/37323049.html
◎その前年、2011年10月にも杭州を訪れ、10月17日の朝、初めて京杭運河を見ている。
・書庫「江南の秋」:ブログ『京杭大運河』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/35908461.html
◎その翌年、2013年3月22日には、杭州の京杭運河で遊覧した。
・書庫「世界上最美麗華貴之城:杭州」:ブログ『京杭大運河:武林门码头』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/37959530.html
・書庫「世界上最美麗華貴之城:杭州」:ブログ『京杭大運河:拱宸桥』
http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/37962572.html